重厚長大なデータウェアハウスから全体最適化されたBI基盤へ:オラクルデータベースの新潮流(2/2 ページ)
データウェアハウスと言うと、基幹業務システムからあらゆるデータを抽出し、蓄積する重厚長大なシステムというイメージがある。しかし、Oracle Databaseに搭載されているデータウェアハウス機能を利用すれば、わざわざデータを抽出する必要もないのだ。
スモールスタートが可能なスケーラビリティ
Oracle Databaseによるデータウェアハウスのもう一つの特長は、限定的な用途や規模のシステムを構築しながら、必要に応じてスケールアウトで拡張できる、いわゆる「スモールスタート」が可能な点である。これは、Oracle GRIDの全機能に共通して言えることだが、これがデータウェアハウスにも当てはまる。
例えば、ある1つの業務システムのデータを活用したBIシステムを構築する場合、従来は個別最適化されたその業務システムに特化したものになりがちだった。複数の業務システムのデータを横断的に取り込む全社的なデータウェアハウスを構築するには、最初から大規模なシステムを構築せざるを得ない。その点、Oracle GRIDでは、ある1つの業務システムのデータウェアハウスを先行導入したとしても、そのシステムをスケーラブルに拡張していけるわけだ。その拡張性は非常に高いものであり、Oracle GRIDを利用して100テラバイト以上の大規模データウェアハウスを構築した事例もある。
なお、データウェアハウスの性能は、サーバやストレージなどのハードウェア、ネットワークのキャパシティなどによって左右されるので一概には言い切れない。ただし、オラクルによると、従来バージョンのOracle Database 10g(R1)に比べ、R2では同一ハードウェア上で59%も性能向上しているという。
こうした優れた特長を持つOracle GRIDのデータウェアハウスは、日本国内でもセブン-イレブン・ジャパン、サークルKサンクス、ニフティなど、多くの企業に採用されている。
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