SAPがMicrosoftとの蜜月ぶりをアピール、Duetの将来計画を披露:SAPPHIRE '07 Atlanta Report
SAPPHIRE '07 Atlantaで、「Duet」のロードマップが明らかにされた。SAPは、Microsoftのレイクス氏をステージに招き上げ、両社の親密ぶりをアピールし、その果実であるDuetの将来も約束した。
米国時間の4月24日、SAPの年次ユーザーカンファレンス「SAPPHIRE '07 Atlanta」で、SAPとMicrosoftが共同開発したOffice連携ツール、「Duet」のロードマップが明らかにされた。
この日午後に行われたキーノートでは、SAPのレオ・アポテカ社長兼副CEOが、MicrosoftでBusiness部門のプレジデントを務めるジェフ・レイクス氏をステージに招き上げ、ソフトウェアの巨人とビジネスソフトウェアの雄である両社の親密ぶりをアピールし、その果実であるDuetの将来も約束した。
「両社の技術に投資する企業は多い。彼らがその価値を最適化できるよう、Duetの共同開発に取り組んだ」とレイクス氏は話す。
昨年のSAPPHIRE '06 Orlandoでベールを脱いだ「Duet」は、2003年には合併まで真剣に検討されたMicrosoftとの共同開発によるもの。主にMicrosoft OutlookをSAP ERP 2005のフロントエンドとして利用できるようにする連携ツールだ。予算管理、スケジュール管理、休暇届、組織管理などの機能が提供され、例えば、Outlookの予定表に入力したスケジュールを自動的にSAP ERPと同期させることができたりする。
SAPによれば、リリースから1年足らずでDuetの顧客は250社40万ユーザーに上るという。
レイクス氏によれば、2008年末までに登場するDuet 2.0では、CRM(Customer Relationship Management)やSCM(Supply Chain Management)といったERP以外の機能と連携するビジネスシナリオが追加され、例えば、営業マンがCRMのセールスリードをOfficeから管理したり、サプライチェーンのマネジャーがOfficeから購買や契約書の管理を行えるようになるという。
「シナリオの幅と深さが拡大される」とレイクス氏。
ちなみに現在のシナリオは、SAP ERP 2005の機能に限られている。新しいシナリオは、CRMやSCMがSAP NetWeaverベースに移行し、エンタープライズSOAに対応することによって可能となるものだ。
SharePoint Serverでコラボレーションも
Duet 2.0ではまた、Microsoft Office SharePoint Serverのサポートも追加され、構造化されていないタスクと情報をSAPの構造化されたそれらと統合し、エンドツーエンドのコラボレーション環境も実現される。構造化されていないタスクや情報は、内部統制上も問題となるが、Duet 2.0で人、プロセス、そして情報をつなぐ意義は大きい。新しいシナリオの一部は、午前に行われたヘニング・カガーマンCEOのキーノートでもデモされた。
さらにテンプレートや開発ツールも用意され、ビジネスの要求に応じて新しいシナリオを構築することもできるという。
ハッソー・プラットナー会長が前日のキーノートでSAP NetWeaver BI Acceleratorのメリットについて熱弁を振るったが、このDuetも既存のITインフラストラクチャーに何ら影響を与えることなく、エンタープライズSOAによって機能拡張を図ることができる。
なお、詳細な機能については語られなかったが、SAP Business SuiteとOfficeスイートの次世代版が登場するのを待って、両社はDuet 3.0もリリースする計画だ。
SAPのアポテカ氏は、「Duetは、パートナーとともにイノベーションを進めるSAPの姿勢を表す好例だ」と話す。
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