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GPLv3の「最終」ドラフト公開
Free Software FoundationがリリースしたGPLバージョン3の最終ドラフトでは、「Microsoft・Novell的」提携を防止する要件が加わった。
Free Software Foundation(FSF)は5月31日、GNU General Public Licenseバージョン3(GNU GPLv3)の最終ドラフトを公開した。前回ドラフト公開以降のフィードバックや議論を基に、変更を加えたもの。FSFでは、正式版の発表を6月29日に予定しており、それまでの間、最終ドラフトについての意見を募るとしている。
最終ドラフトでは、GPLv3がApache License 2.0との互換性を持つようになった。また、ソフトの個人的改変やデータセンターでの利用条件を明確にするために新たな項目を追加したほか、米国の消費者保護規定に関する説明を、米国外からも理解しやすいよう明確化した。
また、米Microsoftと米Novellの提携にみられるような動きに対処するための要件も追加。前回ドラフトが公開された3月28日以降に、差別的な特許契約を締結したディストリビューターは、GPLv3に基づくソフトウェア配布ができないとした。ただし、NovellがMicrosoftとの提携で合意した特許保護要件はコミュニティーの利益にもなり得るとして、この要件はNovellのソフトウェア配布を禁じるものではないとしている。
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