「昼あんどん型」マネジャーが創造型組織を作る:企画マネジメント 会議での「呼吸法」(2/2 ページ)
「企画マネジメント」では演技やフリも重要である。企画会議で出されたアイデアをバッサバッサと切りまくるマネジャーは、自己陶酔しているとしか部下からは見られない。自らの存在感を消して、自由に発言できる時間を与え、タイミングを見計らって正当な評価を下すことが大切だ。
創造型組織を作り出す「eマネジャー」
いかにメンバーにアイデアを出させるか、引き出すことができるかが、これからのリーダーには必要になってくる。そのためのキーワードとして高橋氏は「eマネジャー」という言葉を掲げる。すなわち、
(1)encourage メンバー、部下を褒めたり励ましたりして意欲を鼓舞すること。
(2)entertainment 課題に対して興味を持たせ、面白がらせることで意欲を持たせること。そのためにはさまざまなしかけも必要になってくる。高橋氏の場合、ネーミングのとき、そのテーマ用のオリジナル辞書のようなものをスタッフに作って渡したりすることがあるという。
「例えば新しいミルクのネーミングを考えるとします。ミルクから連想される多様なキーワード、『温かい』『育む』『牛』…たくさん挙げておいて、それぞれ英語、フランス語、ドイツ語の訳を付け加えたものを会議のときに配って、それをもとに発想を広げていきます」(高橋氏)
(3)education 教育ではなく「共育」とあえて訳す。上から教えるのではなく、語源となったラテン語のeducare(導き出す、引き出す)にちなんで共に育つという字をあてる。
これからの創造型企業のリーダーはメンバーや部下を励まし鼓舞し(encourage)、課題に興味を持たせること(entertainment)で、その可能性、創造性を引き出すこと(education)が求められているのである。
この「eマネジャー」の基本を読んで、「学校の先生みたいだな」と感想をもらす人がいた。会社は学校ではない。それは確かだ。しかし結果を出すために、上司が「教師的な役割」を担った方がうまく事が進むこともあるということを頭に入れておくべきだろう。
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