WAN高速化の主戦場、Interopへ:「ネットワークの祭典」に見るし烈な争い(2/2 ページ)
幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2007」は、各社のWAN高速化製品が一堂に会する格好のイベントでもある。各ベンダーが持ち味を生かしたソリューションをぶつけ合った。
一方、シスコシステムズは、自社ブースでWAN高速化ソリューション「Cisco 512 Wide Area Application Engine」を展示していた。こちらもTCP最適化やキャッシングといった技術によって、WAN上でのアプリケーション通信を高速化する。また、支店向けサービス統合型ルータ「Cisco ISRシリーズ」に組み込み可能なWAAS(Wide Area Application Acceleration Services)モジュールも紹介されていた(関連記事)。
このほか、F5ネットワークスジャパンでは、同社のWAN最適化ソリューションとして「WANJet」や、ロードバランサー「BIG-IP」などを紹介。BIG-IPに組み込まれる「WebAcceleratorモジュール」は、Best of Show Awardインフラ構築製品部門にもノミネートされた。
このほか、ADCやレイヤ4-7スイッチ(ロードバランサ)関連の製品も数多く展示されていた。例えば、ファウンドリーネットワースではアプリケーションスイッチ「ServerIron」を紹介。専用ソフトウェア「TrafficWorks 10」もリリースされ、Webアプリケーションファイアウォールに加えて、スパム対策やWAN最適化の機能も実装できるようになっている。
アレイ・ネットワークスは、Webサイトのコンテンツ配信を高速化する統合型Webトラフィック管理プラットフォーム「TMXシリーズ」を出展。パケットの圧縮、負荷分散、SSLアクセラレータ、キャッシュなどのシステムをワンボックスで提供する。
最後になったが、物産ネットワークスのブースで展示されているA10ネットワークスのアプリケーションスイッチ「AXシリーズ」も注目製品の1つ。米国のInterop Las Vegas 2007において「Best of Interop」アワードを受賞しており、本イベントでもBest of Show Awardインフラ構築製品部門で特別賞を受賞した。今後の動向が気になるところだ。
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