GRUBの使い方入門:Beginner's Guide(2/3 ページ)
コンピュータの電源を入れると最初に実行されるソフトウェアが、ブートローダだ。今回は、GRUBの開発いきさつとインストールや設定に関するヒントを紹介しよう。
GRUBメニューの設定
ほとんどのユーザーがGRUBに対して求めることは、決まったOSの自動ブート、またはHDDにインストールされたOSからのブート対象の選択だろう。そのためにGRUBメニューの機能が存在する。その設定ファイルが、GRUBのインストールされているドライブの「grub」ディレクトリにあるmenu.lstだ。ブートの途中でこのファイルが見つかると、GRUBは自動的にそのメニューを読み込む。
メニュー設定は、普通のプレーンテキストに一連のディレクティブ(命令)と設定パラメータが記したものだ。以下に、Ubuntu 7.04向けのデフォルトのmunu.lstファイルを簡略化したものを示す。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
- defaultは、デフォルトのエントリを示す。1つのエントリには、少なくともtitle、root、kernelという3つのディレクティブが含まれる。エントリ番号は0から順に割り当てられる
- timeoutは、メニューの表示時間を秒単位で表したもの。この時間が過ぎるとデフォルトエントリの実行が始まる
- hiddenmenuは、メニューの表示を行わないことを意味する。このパラメータは、ユーザーに選択を求めずに自動でブート処理を行うときに用いられる
- titleは、エントリ実行前のメニューに表示されるテキストを示す
- rootは、このエントリのカーネルが存在するデバイスとパーティーションをGRUBに対して指定する
- kernelは、そのエントリが選択された場合にブートするカーネルを示す。このディレクティブの後に続くオプション群は、カーネルに渡されて処理される。roは読み取り専用(物理的にデバイスは読み取り専用ではないので、カーネルによる書き込みを回避するだけのもの)であることを、quietはデバッグ情報を表示しないことを、splashはブート処理中にスプラッシュ画面を表示することをそれぞれ意味する
- initrdは、カーネル読み込み後に実行する初期化処理をGRUBに指定する。これらのディレクティブが実行されると、システムの制御がGRUBからOSへと移る
ここでは、その他幾つかのパラメータを設定できる。カラースキームの指定、スプラッシュ画像の背景表示、さらにはメニュー保護用のブート時パスワードの指定といったことが可能だ。GRUBのマニュアルには、利用できるコマンドの一覧が記されている。
GRUBでWindowsをブートする必要があるなら、先ほどのメニュー設定ファイルに以下のようなエントリを追加するとよい。これは、プライマリのHDDにインストールされたWindows 2000をブートする命令をGRUBに与えるものだ。
title Windows 2000
unhide (hd0,0)
hide (hd0,1)
hide (hd0,2)
rootnoverify (hd0,0)
chainloader +1
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