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もう1つのWAN高速化、「AFE」って何だ?:最適化から始まる、WAN高速化への道(3/3 ページ)
WAN高速化の機能は、主にWAFSとTCP最適化の2つに分けられるが、実はほかにも手段がある。ここではもう1つの高速化、「AFE」にフォーカスした。
このようなAFE製品は、Webアプリケーション運用時のセキュリティ対策機能も重要な要素になりつつある。前述のようにTCP最適化機能では、クライアント側からのリクエストを一時的に終端し、サーバ側に別のコネクションを張っている。そのため、もともとSYNフラッドなどのDoS(サービス妨害)攻撃を受けても防御できるという側面がある。
しかし、攻撃の中にはSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、Webアプリケーション自体の脆弱性を突く攻撃もある。この手の攻撃に対しては、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)機能が有効だ。
WAFには、現在セキュリティ専業ベンダーが力を入れている。ジュニパー、F5、ファンドリー、ブルーコートシステムズなどのソリューションベンダーでは、セキュリティ機能を積極的に取り入れ、WAFを製品ラインアップとしてサポートしている。そういう意味では今後、AFEもさまざまなセキュリティ機能を包括的に統合したソリューションへと、さらに進化を遂げていくのかもしれない。
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