第5回 プロジェクトの初期タスクを片付けよう:SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト(3/3 ページ)
本連載も折り返しとなる5回目を迎えました。プロジェクトの開始時には、実際の開発を始める前にやっておくべきことがいろいろと発生します。今回は、前回登録したタスクを片付けていくことにします。
トラッキングの設定をしよう
次のタスクはトラッキングの設定です。ソフトウェアを開発していて、あれば絶対に便利なツールの1つに、バグトラッキングシステム(BTS)があります。バグを報告するだけでなく、「トラッキング」という名のとおり、そのバグを修正するまでの課程を追跡(トラック)することができます。よく使われているBTSとしては、BugzillaやTrac、debbugs(DebianのBTS)などがあります。sf.jpでは、これらのBTSに引けを取らない優れたトラッキング機能を持っています。
プロジェクトを作成した時点で、「Bugs」(バグ報告)、「Support Request」(サポート要求)、「Feature Request」(機能要求)、「Patch」(パッチ)の4種類のトラッキングが自動的に作成されます。たいていの場合は、この4種類で事足りるでしょう。
デフォルトでは、新しいバグ報告があったときにメールなどで通知されないため、ブラウザで見ないとバグ報告があったことが分かりません。しかし、設定をすることで、新しく登録されたアイテムをメールで受け取れるようになります。そこで、トラッキングの設定をして、新規登録時にメールで通知を受け取るようにしてみましょう。
プロジェクトメニューから「トラッキング」を選択してその下に出てくる「管理」を選択します。そしてそこで、設定を変更するトラッキングの種類(例えば「Bugs」)を選択します。すると、Bugsの設定項目が表示されるので、「プリファレンスの修正」を選択します。これで、Bugsの設定を変更できるようになります(画面5)。「新規登録時にメールを送るアドレス」に、送り先のアドレスを記入し、「登録」をクリックすると、新しくアイテムが登録されたときにメールで知らせてくれます。また、「すべての更新時にメールを送る」をチェックしておくと、既存のアイテムにコメントがついたり、状態が変化したりしたときにもメールを受け取ることができます。
ここで送り先に指定するメールアドレスには、メーリングリストのアドレスにすることもできます。プロジェクトが大きくなってきたら、開発用メーリングリストを指定するようにした方がよいでしょう。そうすれば、開発者全員がバグ報告があったことを知ることができるようになります。
設定を済ませたら、トラッキングの設定タスクもCloseします。これでプロジェクト開始時に登録したタスクのうち、3つを片付けることができました。残りはソース管理の準備タスクですが、これはこれまでのタスクよりも少し厄介なので、次回解説することにします。
著者プロフィール
安井 卓
VA Linux Systems Japan(株)/ Debian Project
関連記事
- SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト:第4回 タスクを登録しよう
今回からは、いよいよプロジェクトの運営に入ります。ここでは、わたしが開発を引き継いでいるplumというソフトウェアの開発プロジェクトを例に、sf.jpの利用方法を紹介していきます。 - SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト:第3回 SourceForge.jpの基本操作をマスターしよう
- SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト:第2回 プロジェクトを作ろう
- SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト:第1回 アカウントを作ろう
- SourceForge.JP、Subversionを正式サポート
日本最大のオープンソースソフトウェアの開発サイトであるSourceForge.JPが、これまでCVSのみだったバージョン管理システムにSubversionを正式に加えたことを明らかにした。 - Slashdot JapanやSourceForge.JPに集うユーザーの属性とは?
- Collabnet、SourceForge Enterprise Edition事業を買収
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.