米Microsoftは7月24日、中国広東省を拠点とする巨大な海賊版製造販売組織が摘発されたことを明らかにした。同組織はこれまでMicrosoft製品の海賊版販売で20億ドル以上の利益を得たとされ、世界でも最大規模のものだという。米連邦捜査局(FBI)と中国公安局が、数年間に及ぶ捜査の結果、この2週間で次々と強制捜査を行い、逮捕に踏み切った。
同組織が製造したとされる海賊版は最低でも8カ国語版が存在し、5大陸27カ国で発見されており、これまでWindows Vista、2007 Microsoft Officeを含む13ソフトの違法コピーが見つかっている。
これまでの捜査で、5万5000本以上の海賊版が広東省の同一組織で製造されたことが判明している。今回の摘発により海賊版流通量はかなり減少するとMicrosoftはみている。
Microsoftによると、今回の摘発には同社製品の販売店および顧客が大きく貢献した。1000人以上の顧客からWindows XPの違法コピーの実物版が寄せられ、100店を超える販売店からは海賊版を売りつけてきた相手とのやり取りの記録や請求書、支払い伝票などが送られてきたという。
海賊版による世界全体でのソフトウェア業界の損失は年間400億ドルとされる。BSAとIDCが2007年5月に発表した調査では、2006年に海賊版が世界全体のソフトに占めた割合は約35%という。過去18カ月間に世界各国の捜査当局が摘発したMicrosoftの海賊版は91万4177本を超える。
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