最終回 SourceForge.jpを使いこなそう:SourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト(4/4 ページ)
オープンソースソフトウェア開発に付随する作業を支援するためのシステムであるSourceForge.jpを徹底解剖する同連載もいよいよ今回で最終回となる。今回は、開発メンバーの追加やその権限設定など、プロジェクト管理の機能を紹介する。
トラッキング項目ごとの設定
トラッキングに関しては、各項目ごとに管理権限を設定できます。「ユーザーを以下のトラッキングに加える」の項目で、そのユーザーをトラッキングに加えます。ここでユーザーを加えておかないと、トラッキング上でそのユーザーに仕事を割り当てられません。
加えたいトラッキング項目を選択して、「トラッキングに加える」をクリックすると、選択したトラッキング項目にユーザーを追加できます。トラッキング項目は、ブラウザにもよりますが、[Shift]や[Ctrl]キーを使って選択することで、複数選択できます。すべての項目に加えるときは、「すべてのトラッキングに加える」をチェックするだけでOKです。
すると、権限設定エリアにトラッキング項目ごとの設定項目が入ります(画面4)。「Technician」は、そのトラッキング項目の仕事を割り当てられることができます。また「Admin」は、トラッキング項目の設定を変更したり、仕事の割り当ての変更をしたりできます。
コンパイルファームを使ってみよう
sf.jpでは、ソフトウェアをコンパイル・実行できる「コンパイルファーム」を用意しています。作成したソフトウェアがターゲットとなるOSで動くかどうかテストしたり、バイナリを配布するために、そのターゲットでコンパイルしたりできます。現在、sf.jpでは以下のコンパイルファームターゲットを提供しています。
- [x86] Linux 2.4 (Debian GNU/Linux 4.0)
- [x86] NetBSD 2.0
- [amd64] Linux 2.6 (Debian GNU/Linux 4.0)
- [ppc] Mac OS X 10.2
コンパイルファームにログインするには、cf.sourceforge.jpにsshでログインします。すると、どのターゲットを利用するか選択する画面になります(画面5)。
ここでターゲットを選択すると、コンパイルファームが利用できます。コンパイルファームに必要なコマンドやライブラリが入っていない場合は、sf.jpのサポートに要求を出してください。その際、サポート要求のカテゴリは「コンパイルファーム」と設定してください。
最後に
10回にわたって、sf.jpの利用方法を解説してきました。この連載で解説した内容だけでもsf.jpを活用できると思いまが、sf.jpにはここで解説していない機能・利用法がまだまだたくさんあります。これ以上のことは、sf.jpのサイトドキュメントをご覧ください。
sf.jpで開発をしているソフトウェアは日々、増え続けています。sf.jpから素晴らしいソフトウェアが生まれる日を楽しみにしています。それでは、Happy Hacking!
著者プロフィール
安井 卓
VA Linux Systems Japan(株)/ Debian Project
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