インテリジェンスに信頼性をプラス、HPが本体315万円のコアスイッチ
日本HPは、システムの信頼性を推し進めたProCurveブランドの基幹向けLANスイッチをリリースした。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月11日、シャーシ型のコアスイッチ「ProCurve Switch 8212zl」(8212zl)の販売を開始した。価格は330万7500円(税抜きで315万円)。顧客の声を取り入れ、企業やデータセンター、教育機関などの基幹ネットワークを構成するLANスイッチとしてシステムの信頼性を高めたのが特徴。
8212zlは、ギガビットイーサネット(GbE)×最大288ポート、10GbE×最大48ポートを収容できる9RUサイズのシャーシ型レイヤ3スイッチ。セキュリティや機能拡張面でインテリジェントなエッジ機能を受け持つプログラマブルASIC(特定用途向けカスタムチップ)「ProVision ASIC」を搭載するミッドレンジスイッチの5400zlシリーズ(関連記事)と同じアーキテクチャーを持つ。本体のスイッチング容量は692Gbps、パケット処理能力は428Mpps。
ポート密度は5400zlと同等だが、「コアネットワーク用途で、より高い信頼性を望むユーザーの声に応えるため」(同社プロカーブネットワーキング ビジネス本部の芝原房夫本部長)、管理用モジュール、内部電源の冗長構成やファブリックモジュールのアップグレードを可能とした。複数のスパニングツリーに対応するIEEE 802.1sやルーティングの冗長化(VRRP)といったネットワークの耐障害性機能もサポートする。
PoE(イーサネット給電)対応ギガビットインタフェースモジュールや電源モジュールは5400zl用のものと共通化、1シャーシで最大12基のモジュールを搭載できる。ポート単価については、10GbEのポートが20万円程度(4ポートの10GbEモジュールが70万4550円)と、シスコシステムズ「Catalyst」シリーズやアラクサラネットワークスの「AX」シリーズなど同クラスの競合他社のLANスイッチに比較して半分以下に抑えたという。
また、ほかのProCurve Switchで採用される、利用中は期間制限なしに電話やメールでの問い合わせ対応や機器障害時の製品交換などを無償で行う「ライフタイム保証」を、同社のコアスイッチとしては初めて採り入れた。電源や各モジュール、空冷ファンといったパーツも保証の対象となる。
併せて日本HPは、5400/8212zlシリーズ共用の無線LAN管理モジュール「ProCurve Wireless Edge Services zl Module」(WESM)を販売開始した。WESMはProCurve配下のIEEE 802.11a/b/g対応無線アクセスポイント(「Radio Port」)のトラフィックやアクセス認証を一元管理するための製品で(関連記事)、ライセンスを追加すれば1モジュールで最大156個のRadio Portを管理することが可能。税込み価格は75万9150円。
なお同社は、8212zlの基本構成(管理モジュール×1、ファブリックジュール×2など、インタフェースモジュールは別途必要)の価格330万7500円を7割引き(99万2250円)にして提供するキャンペーンを2008年1月末まで実施する。
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