「SSLトラフィックもOK」、ジュニパーがWAN高速化製品を機能強化
ジュニパーネットワークスは、SSL通信最適化などに対応したWAN高速化OSの最新バージョンをリリースした。
ジュニパーネットワークスは10月23日、WAN高速化アプライアンス「WX/WXC」向けの専用OSの新版「WXOS5.5」や管理ツールの機能強化を発表、11月1日より出荷を開始する。新システムでは、従来は未対応だったSSLの暗号化通信を高速化できるようになるなどの拡張が行われている。
WX/WXCは、圧縮とデータキャッシング、TCP、CIFS(Windowsファイル共有)やMAPI(Exchange Server)などに特化した最適化機能でWAN越しのアプリケーション通信を高速化する装置。特に、データのビット列の並びを辞書に保存し、同じビットパターンを学習させることでWAN間のトラフィック量を抑える圧縮機能に特徴がある。
今回のWXOSのアップデートでは、企業で利用頻度が増えているアプリケーションのSSL通信を、暗号を解読することで高速化できるようになった。また、WindowsのSMB(Server Message Block:ネットワーク上でファイルやプリンタを共有するためのプロトコル)トラフィックの高速化機能も追加された。Windows Serverをドメインコントローラとして機能させると、パケットを改ざんするなどの中間一致攻撃(man-in-the-middle attack)を防ぐためにSMBパケットのデジタル署名機能が標準で有効になるが、SMB署名機能をONにするとトラフィック最適化の効果が利きにくい問題があった。そこで、WX自体をWindowsドメインに参加させる機能をサポートすることで最適化を可能にしたという。そのほか、Windows VistaのTCP/CIFSの最適化にも対応する。
同社はWXOSのアップデートに合わせて、専用管理/監視ツール「WX セントラル・マネジメント・システム」(WX CMS)の新バージョン5.5をリリースした。WX CMS 5.5では、コンテンツ配信を行う機能を実装。具体的には、ユーザー通信を行う事前にコンテンツをHDD搭載モデルのWXCに配信、ディスク上にコンテンツを保存して圧縮辞書の学習を行うことにより、従来は辞書学習後の2回目の通信から有効になる高速化機能を初回の通信時より適用できるようになった。
WXOSの価格はオープンプライス。保守サービス契約中のユーザーは無償でアップグレードできる。
またジュニパーネットワークスは、国内のWAN高速化市場の調査リポート(富士キメラ総研「2007コミュニケーション関連マーケット調査総覧」)を引用、同市場においてWXがトップシェアを獲得したことを明らかにした。
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