NTTドコモ、905iと705iシリーズを一斉発表:これが携帯電話の集大成(2/2 ページ)
NTTドコモが、新製品「905i」および「705i」シリーズ全23機種を一斉発表した。「世界で使える905i」「個性で選ぶ705i」をコンセプトに、905iは11月26日から、705iは2008年1月から発売する
NTTドコモは、10月1日から始まった気象庁の緊急地震速報を利用する「エリアメール」を、905iシリーズの発売と同時期に開始する予定。905iシリーズは全機種、705iシリーズは6機種が対応する。エリアメールは、3GPPで標準化された「Cell Broadcast Service」技術を利用して、緊急地震速報が出されると、その対象エリア内にいるユーザーへ地震到達の情報を一斉に配信する。
キャリア各社では、5月から緊急地震速報を利用した情報配信プラットフォームの開発を進めてきたが、サービスを開始するのはドコモが最初となる見込み。利用料金は一切無料だが、初期設定では「受信しない」となっているため、ユーザー側で事前に受信登録の設定を行っておく必要がある。
このほか、両シリーズの発売に合わせて音楽情報配信サービス「Musicチャネル」が拡充され、「Music&Videoチャンネル」として動画配信も開始する。音楽情報に加えて、テレビドラマの本編や映画の予告編、スポーツ、アニメーションなどのカテゴリーで最長30分間の動画を視聴できる。また、ビデオクリップのダウンロードサービスでは、提供タイトル数が7000以上に広がった。
両シリーズそれぞれの特徴について、辻村氏は「905iはこれまでの携帯電話で実現した進化の形を集大成させた。すべての機能を使いたいという、ハイスペック志向のユーザーに応えるものだ。705iは、スリムボディやファッションデザインなど、ユーザーが個性に合わせて端末を選べる、こだわりのシリーズ」と説明した。
新たな販売モデルのスタート、ユーザーはじっくり検討を
NTTドコモは、11月26日以降に発売する905iシリーズから、端末販売の新しい方法となる「バリューコース」と「ベーシックコース」を導入する。ユーザーは、905iシリーズと705iシリーズを購入する場合、購入価格が高く設定されるものの、月額料金を抑えた「バリューコース」、購入価格が低く設定されるが、従来通りの月額料金が適用される「ベーシックコース」のいずれか選択する必要がある。
辻村氏は、新制度導入後の販売見通しについて、「具体的に予測するのは難しい。販売価格は販売店が決めるものだが、ハイエンド端末は発売からしばらく経つと大幅な値下げが行われ、その時点から売れ行きが良くなるという傾向にあった。だが、新しい方法では自分のスタイルにあった購入方法を選べるため、端末が安くなるまで購入を控えるユーザーが少なくなるだろう」との見通しを示す。
また、これまで個別に行われてきた「90x」シリーズと「70x」シリーズの発表は、今回は同時に行われた。辻村氏は、「新しい販売方法でどのような新端末を購入できるのかを、ユーザーに早く伝えることが重要だと考え、同時に発表した」という。
NTTドコモは、4月の904iシリーズ発表と同時に、「DoCoMo 2.0」というコンセプトも発表。これは、サービスや料金について多方面から指摘される「つながりにくい」「高い」をいったイメージを払しょくするために打ち出され、具体的にはFOMAエリアの拡充や、月額基本料が半額となる「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」プラン導入といった施策が展開されてきた。
だが、8月の携帯電話契約数では創業以来2度目となる純減を記録するなど、厳しい様相を見せる。辻村氏は、「非常に危機感を持っているが、こうした状況は1つの策でひっくり返るものではない。購入方法や料金、サービスエリアなどの要素を積み重ねて訴求することが重要だ。新端末によって苦しい時代を新しい時代に変え、『DoCoMo 2.0の時代が来た』と評価されるように、今後もさまざまな施策をやっていく」と締めくくった。
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