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ユーザーをあきらめさせない検索ツールの新境地次世代検索の行き先(3/3 ページ)

“平均3.6ページ”――ユーザーが検索をあきらめてしまうWebページ数だ。誰もがこのような苦い経験を味わったことがあるだろう。だがそれはもう昔の話。最前線の検索エンジン系ツールは、ユーザーが求める検索結果にたどり着くための工夫が凝らされている。

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 このような絞り込み機能は、エンタープライズサーチ分野でもすでに実装され始めている。 

 FASTの「Enterprise Search」はダイナミックドリルダウン機能を特徴とする。これは検索結果の集合を自動的にクラスタリング傾向分析して分類し、さらなる絞り込み用にキーワードごとの件数表示を行うものである。この機能は国内では実際にJALのホームページで採用されているので試してみるとよい。検索条件に「航空券」と入れると結果結果一覧が表示される。この時に左側のサイドバーに「サービス」「運賃」といったカテゴリーごとに絞り込み候補のキーワードとその件数が表示される。「キャンペーン」で絞り込むとさらに細分化した候補が自動的に表示される。

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JALのホームページで採用されているダイナミックドリルダウン機能による検索

 そのほかにも検索の途中に人を介在させる検索サービスもある。海外では、「Mahalo.com」「ChaCha Search」といった人間が検索結果を選別するもの、あるいは人間が検索に対して回答を行うものがある。これらは人力検索と呼ばれ、国内でははてなやOKWaveなどが有名であるが、これらのものは昔からあるQ&Aコミュニティーの延長上にあり、海外に比べると進化が遅れている。

検索結果の説明文に改善の余地あり

 事例ばかりではなく、検索エンジンの改善ポイントも挙げておく。

 アイレップSEM総合研究所とクロス・マーケティングが行った「インターネットユーザーの検索行動調査」という調査に、検索結果の一覧画面を見て「一番最初にサイトを選ぶ基準」という項目がある。これによるとユーザーは、「一番上に掲載されていること」よりは「検索結果の説明文」を重視してクリックするサイトを選ぶという。また、検索結果一覧からノイズ(欲しい情報ではない検索結果)を判断する基準でも、説明文を参考にするという意見が50%を超えている。

 すなわち説明文をどういう形式で出すのかは重要な要素であり、改善の余地はまだまだ大きい。今のところ、検索対象のキーワードが頻出する文書の一部分を表示するもの、文書の最初の部分から何文字かを表示するもの、全体を機械的に要約してその一部を表示するものなど検索エンジンごとに説明文の生成の仕方は異なる。特に対象が長い文書の場合、説明文をどのように生成し表示するかの研究は必要である。


 本文に述べたように、すでに検索エンジンは新しい時代に入ったといえる。ここしばらく検索エンジンの進化からは目が離せない。

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