特集
ビジネスに対するITの貢献度を証明――ITサービス財務管理:初心者歓迎! ITIL連載講座(3/3 ページ)
いよいよ、本連載も最終回。今回は「ITサービス財務管理」について開設する。
ITサービス財務管理のKPI
ITサービス財務管理がうまくいっているかどうかを評価するためのKPI(重要業績評価指標)には、次のようなものが考えられる。
- 計画された予算の正確性(予算と実際との差)
- 予算化されていなかった支出の額
- 課金に対して寄せられる質問や不満
- 顧客やユーザに対する認知度調査
- 顧客満足度、ユーザ満足度
ITサービス財務管理に限ったことではないが、管理することそのものが目的ではない。ITILの最終的な目的は、ITサービスがきちんとビジネスを支援しているということを証明することである。細かすぎる管理やおおざっぱすぎる管理は必ずや形骸化する。それぞれの会社の事情にあわせて、まずできるところから、確実に取り入れていってほしい。
最後に
今回の連載は、ITIL V2をベースに書いてきた。ITILはすでにV3が発表されており、V2に比べてよりITサービスのライフサイクルに焦点をあてて解説されるようになった。しかし本質がまるっきり変わっているものではない。ITIL V3の書籍はすでに英語版が出版されているが、日本語版の出版は来年度にずれ込むようである。IITL V2にまつわる試験も2008年いっぱいは継続されるようである。まずは入手が容易なITIL V2から学習をはじめ、個々のプロセスの概要を理解した上でITIL V3に入っていくというのも手だろう。後日改めて、ITIL V3の解説も行いたいと考えている。
※本連載の用字用語については、ITILにおいて一般的な表記を採用しています。
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