Symantecが地球環境に貢献できること
データセンターが直面するエネルギー危機に対して、各企業が「グリーンIT」と呼ばれる環境活動を進める中、米Symantecは自社の取り組みを説明した。
米Symantecは12月4日、同社定例セミナーの中で「グリーンIT」に対する取り組みを説明した。
米調査会社のGartnerによると、CIOの70%がデータセンターにおける電力供給と冷却の問題を危惧しているという。また、2009年には70%の企業で電力コストが2番目に高価な業務関連費用になるという(共に2007年調査)。
Symantecのグローバルソリューションズ担当バイスプレジデントであるホセ・イグレシアス氏は、YahooやGoogleなどがコスト削減のためにデータセンターをサンフランシスコからエネルギーコストの安いワシントンへ移転させた例を挙げ「エネルギー危機によって各企業とも頭を悩ませている」と強調した。
そうした中、グリーンITに関して同社が現在提供するソリューションは、「サーバの効率化」「ストレージの効率化」「デスクトップの効率化」の3つとなる。
サーバの効率化では、物理および仮想サーバ環境の高可用性と障害復旧をサポートするソフトウェア「Veritas Cluster Server(VCS) for VMware ESX」を提供する。障害発生時に代替サーバがアプリケーションデータを自動的に引き継ぎ、クラスタ化された仮想および物理サーバを集中管理できる。
ストレージの効率化では、ストレージを階層化しこれまで未使用だった容量を割り当て稼働率を向上させる。イグレシアス氏によると、例えばストレージを(1)パフォーマンス指向(2)容量指向(3)電力指向の3階層に分割すると「第3階層の消費電力は第1階層の64分の1に抑えることが可能」という。ストレージの重複データを排除しバックアップするソフトウェア「Veritas NetBackup PureDisk」によって、使用するディスクやテープのほか、エネルギーの削減も実現する。
デスクトップの効率化では、米Altirisのテクノロジーを提供しエンドポイントを保護・管理する。ポリシーを策定してPCを自動的にシャットダウンあるいはスタンバイさせることで電力を大幅に節約できるという。
同社は社内でもグリーンITを推進している。データセンターの効率化をはじめ、ソフトウェアのWeb配信、紙のリサイクルなどに取り組んでいるという。データセンターの電力削減を目指す非営利組織「Green Grid」にも参画する。
また同社は、「Dow Jones Sustainability Indexes」や「FTSE4Good Global Index」などの社会的責任投資(SRI)銘柄に組み込まれている。
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