実名ブログが世間に与える影響の大きさ:オルタナブログ通信(2/2 ページ)
アジアで初の「ミシュランガイド東京2008」が発売されたが、その内容は? 外国で成功したものをそのまま持ち込んでうまくいくのか? そしてWindows Vistaへの移行が進まない理由は?――スパムブログからブログが与える影響に至るまで、オルタナブロガーはITの時事ネタを独自目線で探っていく。
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スパムブログの深刻な問題
スパムの問題は、コメントスパム、トラックバックスパムと尽きないが、最近問題となっているのはブログそのものがスパムというものだ。
松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」の知らない間に人工無脳ブロガー(?)に取り込まれている不気味は、興味深いというよりも、思わず怖くなってくる内容だった。このケースではないが、筆者も別のペンネームで書いているブログの内容の一部が、引用ではなく、さも、そのブログ作者が書いた文章であるかのように引用されていたことがある。それも、「私」として筆者のペンネームを書いた部分まで引用しているので、知らない人が見たら、まるで筆者が運営しているブログのように間違えられかねない。非常に気持ち悪かった。
しかし、そのスパムブログが独り歩きしてしまえば、どうなるだろうか。本物のブログと、コピーのスパムブログが存在することになり、増殖していけば――林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のインターネットにも限界があるにも取り上げられている、ネットのキャパシティの限界へと拍車をかける一因にもなりかねない。そこまで行かずとも、どれが本物か分からない状況を作りかねないのは確かだろう。
工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」は【インターネット環境問題】急増する「スパムブログ」を「ブログデブリ」と呼ぶのはどうか?という提唱をしているが、言葉の定義はともかくとして、スパムブログのデータベース化は考えるべき時なのかもしれない。
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Vista用のドライバーがない!
企業向けリリースから1年を経過しようとしているのに、Windows Vistaへのアップグレードを見合わせている企業が多いという報道があった(関連記事)。そして一般ユーザーでも、未だにWindowsXPを使い、Vistaへアップグレードしていないという人は多い。ショップでも、Vista搭載モデルではなくXP搭載モデルを販売しているところもあるくらいだ。
その理由は簡単だ。谷川耕一氏「むささびの視線」のドライバーがないでも触れられたように、Vista未対応が多いのだ。
筆者は、この春にVistaプリンストールのPCを購入したが、谷川氏と同じ状況になった。筆者が以前から所持していたスキャナは、Vistaに対応していないのだ。メーカーのWebサイトに行くと、この型番のスキャナはVista対応予定無しということだ。つまり、Vistaで使いたいのならば、対応している機種を購入してくれということなのだろう。しかし、故障しているわけでもなく、十分に使えるのに買い替えはしたくない。そこで筆者の場合、Vistaでのスキャナ利用は諦めて、XPマシンのほうでスキャニング作業をしている次第である。
これではさすがに、XPが比較的安定しているということもあって、Vistaに乗り換えようというユーザーが少なくなっても仕方がないかもしれない。今後の各メーカーの対応に期待したいところだが……。
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どこでもうまくいくか?
加藤恭子氏「きょこ コーリング」の他の国でうまくいった、をそのまま持ち込まない!は、なかなか興味深いエントリーだった。
あえて書かないが、やはり幾つかの鳴り物入りで始まったネットサービスなど、構想通りにはなっていないような気がするのは、日本に導入する際の方法を間違ったのだろうか。もちろん、これは日本国内のサービス同士でも同じことは言える。A社がうまくいったのならばB社も……、という安易な発想だけでは、失敗する可能性が高いかもしれない。
そして、おかしなことになっているのが、先ごろ発売になった「ミシュランガイド東京2008」ではないだろうか。
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ミシュランガイド東京
ミシュランガイドといえば、フランスのタイヤブランドであるミシュランが出版する旅行ガイドブックであり、レストランやホテルの格付けの権威としても有名である。ミシュランに載ることが名誉とされ、さらに格付けされる星の数(1つ星〜3つ星)が増えることで世間の評判も高くなるという。
このミシュランガイドのアジア初となる「ミシュランガイド東京2008」が、11月22日に発売された。
オルタナティブ・ブロガーでは、永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」のミシュランガイドと、グルメサイトの口コミ評価は、どの程度関連性があるか?とミシュランガイド、どこも売り切れ、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の3つ星の視点で、この話題に触れていた。
このミシュランガイドの調査には、日本人を含む調査員が行っているそうだが、やはりメインはヨーロッパの調査員だろうか。編集方針は、あくまでも外国から東京を訪れた人向けのレストラン・ガイドブックである。そもそも東京と範囲が限られているだけでなく、その中でもさらに絞り込まれた中から調査したようだ。つまり、調査する前段階で落とされてしまった店も多いわけで、その辺りが日本の読者から不満が出ているところだろうか。つまり、他の国でうまくいった、をそのまま持ち込まない!で加藤氏が指摘したように、ほかの国でうまくいった方法が、実はうまくいっていないような気がするのだ。このような点は、次の版から改善されるとよいのだが、果たしてどうなるか。
とにかく、このガイドブックがあちこちの書店で完売状態である現実は、「ミシュラン」という格付けがいかに日本人にも浸透しているのかということを表しているのもしれない。
以上、11月22日から28日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された160近くのエントリーの中から、幾つかピックアップさせていただいた。
だが、やはり今回取り上げたいとチェックしながらも、見送りせざるを得なかったエントリーが多数ある。本記事を読んで、少しでも興味を持たれたものがあったならば、ぜひオルタナティブ・ブログのほかのエントリーにも直接目を通してもらいたい。
そしてオルタナティブ・ブログの最新投稿や新規参加ブロガー、最近寄せられたコメントなどから気になるエントリーを探して欲しい。ここでお気に入りブロガーを見つけたら、直接、ブログのRSSを購読するのもよいだろう。
ITの今を知る、新たな発見があるはずだ。
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