文字+音+絵+映像がトレンドになる?:「行く年来る年2007」ITmediaエンタープライズ版(2/2 ページ)
「電話がつながらない」「メールを送っても返事が来ない」――そんなビジネス上のストレスから解放される日が来るかもしれない。今まさに企業におけるコミュニケーションが変わりつつある。
いち早くUCを取り入れた日産
それに伴い、OCSやSametimeに対応するUC製品が相次いで登場した。Cisco systemsの無線LAN対応型IP電話「Cisco7921G」や固定型IP電話「Cisco7961G」、Avayaのモバイル端末向けアプリケーション「one-X Mobile」、NECのソフトフォン「UNIVERGE Soft Client SP350」などの通話製品から、ビデオ会議システムやアクセスルータなど多岐にわたる。また、NECやユニシスではUC製品のインテグレーションを手掛けるサービスを強化するなど、さまざまな動きがあった。日産自動車のように、UC製品を大量に導入する企業も現れた。「数年前に消えかかった火が再び燃え上がった」(IP通信大手)という言葉に象徴される1年だった。
エンドユーザーへの普及が課題に
ただし冒頭で述べたように、一般のユーザーにとってUCはまだなじみのないものだろう。米TechTargetが約500人の読者を対象に実施した調査では、回答者の81.2%がUCについてもっと学習する必要があると答えた。
また、英DatacraftとシンガポールのDimension Dataが、米国、アジア太平洋、ヨーロッパなど13カ国のIT担当者390名およびエンドユーザー524名を対象に行った共同調査では、IM、ブログ、ソフトフォンが集中力を阻害し、業務に悪影響を及ぼす可能性があるという結果が出た。
このように、企業とユーザーではまだ温度差があるのが現状だ。
UC製品のリリースラッシュは一段落した感がある。2008年には、実際に導入した企業からの反応が多く得られるはずである。日本の文化には根付きにくいとも言われるUCが、果たしてどこまで受け入れられるのか、そして導入前後でどのくらい企業パフォーマンスが向上するのか注目していきたい。
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