“Opera風”Firefoxを試してみる(2/2 ページ)
FirefoxをOpera風にしてみると、一部の機能を除けば素直にOperaを使うことをお勧めしたくなるような気がしてくる。自分が使いやすいブラウザに必要な機能を探す旅は長く険しい。
マウスジェスチャー機能
マウスジェスチャー機能については、上述の記事で紹介されている「Mouse Gestures」のほかにも、定番エクステンション「All-in-One gestures」も存在する。これは好みで使い分ければよい。なお、本稿執筆時点のそれぞれの最新バージョンは、Mouse Gesturesが1.5.2、All-in-One gesturesが0.18だ(それぞれのバージョンを一概に並べて比較することは無意味なことはいうまでもない)。また、当サイトでも過去に厳選されたFirefoxの拡張機能を「フォクすけブートキャンプ」として紹介したが、この中でuserChrome.jsを利用して、マウスジェスチャー機能をFirefoxに実装している。こちらは自分好みに自由自在にカスタマイズでき、かつ軽量に仕上がっているので、一歩進んだユーザーはこちらを試してみるのもよいだろう。
それほど盛り上がっていないFirefoxのウィジェット
Operaのウィジェットエンジンと同様のものを実現するものとして上述の記事ではFirefoxitが紹介されている。しかし、現時点のFirefoxitは、控えめに言ってもOperaのウィジェットエンジンには遠く及ばない。
Firefoxitの開発ロードマップにはOperaのウィジェットも利用可能にするとあるが、その開発ペースは非常にゆったりとしたものだ。現時点では付せん紙のような基本的なウィジェットのみが提供されているだけだ。ウィジェットが盛り上がればそれに伴って開発も盛り上がっていくだろうが、現実的には今インストールするほどのものではない。
音声読み上げについては、デフォルトで実装されているOperaがリードしていることは間違いない。Firefoxでも、Fire Voxをインストールすると「CLC-4-TTS」「CLC-FireVox」「CLC-Utilities」といったエクステンションがまとめてインストールされ、音声読み上げは可能となる。
しかし、日本語で読み上げようとすると、とたんにハードルが上がる。Operaも音声機能は現在英語のみ利用可能で、Fire VoxでもMicrosoft Speech APIのバージョン5(SAPI 5)に対応した日本語音声合成エンジンが必要となる。残念ながら、記者のPCにインストールされたMicrosoft Office 2007では日本語音声合成エンジンが削除されているようで、Office 2003以前のOffice製品をお持ちの方か、別途日本語音声合成エンジンを用意しないと、日本語での読み上げは行えない。この部分については両者ともこれからといった具合だ。
そのほか、ここでは紹介しなかった「All-in-One Sidebar」「PageZoom」をインストールすることで、Operaが持つ機能の多くはFirefoxでも利用可能となる。しかし、実際に試した印象では、有用な機能はそう多くない。今回、入れて便利だと感じたのは「Secure Login」くらいだ。結論として、デフォルトの機能で多くのニーズを満たしてほしいと考えるならOperaを、少し手間暇を掛けても自分に合ったブラウザを作り上げていきたいのならFirefoxをお勧めしたい。
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