技術者不足は深刻――フォートラベル:悩めるCTOの行く年来る年(2/2 ページ)
ネット企業を技術面で支える最高技術責任者(CTO)に話を聞く第3弾。旅行口コミサイトを運営するフォートラベルの山路昇CTOに話を聞く。技術者採用が難しかった1年という。
大規模サイトの経験者が欲しい
ITmedia そのために具体的にはどんな人を採用したいですか?
山路 サイトの利用者やページビューが増えると、システムのパフォーマンスが落ちるなど必ず壁にぶつかります。それまでのやり方が通用しなくなったときに、次の成長段階に引き上げてくれる人に来てほしいです。例えばヤフーや楽天などの大規模サイトの構築、運営を手掛けた経験のある人などです。
向上心も重要です。自宅で自らサイトを作っていたり、グーグルのモバイルプラットフォーム「Android」(アンドロイド)などをいち早く試したりする人は魅力的ですね。
技術面でいえば、プログラム開発と、サーバおよびネットワーク周りの設定の両方をできる人がなかなかいません。フォートラベルでは、Linux、Apache、mySQL、PHPといったオープンソースを使ってシステムを構築しているため、オープンソースに精通していればなお理想的です。
ITmedia 旅行サイトに新たに取り入れた検索手法はどんなものですか?
山路 新しい検索システムは、予算や日程を入れると、参加できる海外のツアー旅行の商品が表示されるものです。例えば予算が5万円なら、地域に関わらず予算内で楽しめるツアー旅行を表示します。
従来の多くの検索サイトでは、行き先などを設定した上で検索するため、5万円の条件で米国、欧州、アジアなど各地を別々に探す必要がありました。旅行を計画する人は、予算や日程に合わせて渡航先を選ぶことも多く、利用者の視点とマッチした商品検索ができます。
ITmedia 2008年の目標は何ですか?
山路 2008年はフォートラベルの携帯電話版をやってみたいです。ただし、海外からローミングして携帯サイトを更新したり、閲覧したりすると高額な料金が掛かるなど、携帯版の開設に壁があるのも事実です。
旅行者が投稿する写真がもうすぐ300万枚に達します。300万枚を記念して、1月には神奈川県の鎌倉に行ってプロのカメラマンに写真撮影を指導してもらうイベントも開催する予定です。口コミサイトとして写真の投稿数をもっと増やしたいです。
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