米Microsoftは1月8日、ノルウェーのFast Search & Transfer(FAST)を買収する意向を明らかにした。FASTの株式を、1株当たり19ノルウェークローネ(NOK、約3.6ドル)、総額66億NOK(約12億ドル)の現金で公開買い付けする予定。FASTの取締役会は、全会一致でこの提案の受け入れを推奨している。取引は、第2四半期中に完了する見通し。取引成立にはFAST株主の90%以上の承認が必要だが、同社株の計37%相当を所有する大株主2社は、既にこの提案の受け入れを表明しているという。
FASTは、企業向けにハイエンドの検索ソリューションを提供している。一方のMicrosoftは、企業向けのコラボレーションツールとビジネスインテリジェンス、検索機能などを「Microsoft Office SharePoint Server」などで提供するほか、世界中に多くの顧客企業やパートナー企業ネットワークを持つ。両社の「多くの補完的な強み」を組み合わせることで、FASTの技術をより多くの顧客に提供できるようになる上、幅広いニーズに対応する検索ソリューションを1社で提供できるようになるとしている。
Microsoftはまた、ノルウェーでの研究開発拠点を得ることで、欧州における研究開発部門の強化も図る。
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