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小飼弾――35歳からのプログラミングこそ無上の至悦New Generation Chronicle(2/9 ページ)

豊富な実績で多くの開発者を先導する存在になりつつある人物を取り上げる「New Generation Chronicle」マエストロスレッド。こちらの第1回は、ブログ「404 Blog Not Found」などでも知られる小飼弾氏だ。

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Perlは「フリーダムすぐる」。だがそれがいい

小飼氏似顔絵
小飼氏似顔絵

Q12 最近メインで使っている言語は? なぜその言語に引かれたのですか?

Perl&JavaScript。速度的なところで必要があればCやC++でPerlのモジュールを書いたりも。でも言語オタクなので何でも。Perlに引かれたというよりはラリー・ウォールに引かれたのが大きい。

 多少乱れてもきちんと言葉として成立するのが自然言語のすごいところで、コンピュータ言語ではそこまでの乱れは許容しない。Perlを好きなのは、言葉の乱れをなるべくそのまま受け付けようとするところなのかも。Matzさんに言わせれば「フリーダムすぐる」ということになんだろうけど。

 基本的に言語に上下はなくて、あるのは向き不向き。あとレイヤーの違い。例えばCとPerlは同じレイヤーではない。CやC++のように言語を書くための言語というものもある。PHPはプログラムしなければいい言語(笑)。

Q13 自分が世に送り出したコードで、自信作があれば教えてください。

自信はないけど、よく使われているという意味でPerl 5.8とEncode。僕が人様に自慢できるようなコードは、それ単体で動作するものはほとんどない。その意味では裏方系プログラマー。自分で言語を作るのも何度かやったけど、それを普及させるのはまた別の話なので、その点でMatzさんはすごい。

Q14 自分のコーディングにクセやこだわりはありますか?

上述のように、プログラマーとしては裏方系なので、その場に合ったコーディングスタイルが基本。人に見せるようなものについては、なるべくクセも殺すようにしている。

Q15 理解するのに苦労したコンピュータ関連のトピックは?

あまりない。画像系のコードが難しいなと感じたけど、これらも原理が難しいかと言えばそうでもなく、実装が難しいというだけ。

Q16 これを読んでおくと幸せになれるという開発者必携の一冊を教えてください(複数も可)

ラクダ本
Programing Perl

一冊というなら「ラクダ本」(編注:『Programing Perl』)でしょう。全部読む必要はない、序文だけでも読んでみてほしい。近藤さん(編注:近藤嘉雪氏)の訳も悪くないのだけど、割と堅めの訳になっているので、できればカジュアルな原文に触れてみると幸せになれるかも。

Q17 ここは毎日ウオッチしている、というサイトはありますか?

はてブかな。

Q18 開発系の雑誌で購読してるものはありますか?

購読してるものはない。WEB+DB PRESSは寄稿しているので見本誌が送られてきますが。ほしい雑誌があれば寄稿してゲットしろ

Q19 あなたが考える理想のソフトウェア開発プロセスは?

それが分かっていれば、開発コンピュータができているのでは? それはともかく、「PerlとPHPのどちらがよいか」と問われれば、Perlと脊髄反射的にナノセカンドで答えられるけど、どれがよいかと問われればPerlとは答えづらい。ソフトウェア開発プロセスについても同様に、ある部分だけを見て「こちらの方がよい」とはいえますが、いきなりオープンクエスチョンで「どれが理想か」と問われれば、それは答えづらいものがある。

 世にある開発手法は、コンピュータ対策というよりは人間対策なので、今後、今とはまったく逆のアプローチが出てこないとも限らない。ソフトウェアの世界というのは分かっていないことだらけ。そこがまた楽しいわけですが。

Q20 Web2.0という言葉をどう定義していますか?

ティム(編注:ティム・オライリー)に聞け! 便利そうなので使わせていただいていますが、スバリ、バスワードでしょう。ラリーのからかい方が的を射ているかも。

「このサイトはWeb2.0だ」

「ほう、ロングテールはどこだい?」

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