松坂投手の「今年」を左右するのはITだ:Weekly Access Top10
新年早々、IT企業がスポーツに参画するというニュースが相次いだ。スポンサー契約、ITテクノロジーの導入、命名権など、普段とは異なる角度からスポーツを楽しめるかもしれない。
先週に引き続き、小飼弾――35歳からのプログラミングこそ無上の至悦が第1位となった。Sun、MySQLを買収へ、Oracle、BEAを約85億ドルで買収など注目度の高い企業買収のニュースが飛び込んできた。大手企業の動向には読者の関心も高いことがうかがえる。
買収劇とは話が変わるが、1月16日、インテルはジャパンラグビー トップリーグに所属するクラブチーム「サントリーサンゴリアス」とスポンサーシップ契約を結んだ。サントリーといえば、言わずと知れた日本ラグビー界の名門である。2006年には、早稲田大学ラグビー蹴球部を在任5年間のうち3度も日本一に導いた清宮克幸監督を招き、より一層のチーム強化を図っている。
インテルは、清宮氏が表明する「革新的であり続けようとする姿勢」や、勝つためのチームマネージメント理論、チームスピリットなどに共感してスポンサーシップの締結を決めたという。
もともと、トップリーグとIT企業の結びつきは強い。リーグ戦には日本IBMを母体とする日本IBMビッグブルーが参加するほか、リーグ終了時点での上位8チームによるトーナメント戦「トップ8トーナメント」はマイクロソフトが冠スポンサーとなっている。
今シーズンの開幕戦では、マイクロソフトと東芝が「デジタルアミューズメントスタジアム」というイベントを共同開催した。スポーツ観戦とITの融合という新たなスタイルを提案する同イベントでは、ノートPCでラグビー映像の鑑賞や編集を体験できるブースが設けられた。「ITを活用してスポーツ観戦を盛り上げていきたい」(マイクロソフト関係者)としている。
EMCが松坂をサポート
翌1月17日には、米EMCがMLB(メジャーリーグベースボール)のBoston Red Soxと提携したと発表した。3月に東京ドームで開催される「08 リコーMLB開幕戦」のスポンサーになるほか、EMCの提供するITソリューションにより、選手の調整、試合運び、球団経営など同球団の運営全般に貢献していくという。今シーズンは、EMCのテクノロジーが松坂大輔投手や岡島秀樹投手を支えることになるのだ。
MLBの公式スポンサーとしては、そのほかにも米Cisco Systemsや米Microsoft、米AT&T、米Verizon Wirelessなど数々のIT関連企業が名を連ねている。
ドラクエがJリーグに進出?
企業とスポーツのつながりでいえば、スタジアムの命名権(ネーミングライツ)も昨今の流行だ。国内の話題では、1月15日にサッカーJ2のアビスパ福岡がホームスタジアムとする「博多の森球技場」の命名権を、「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」の開発などで有名なゲーム制作会社のレベルファイブが獲得した。新名称は「レベルファイブスタジアム」に決定した。契約期間は3月から3年間となる。
IT企業では、アメリカのオークランド州にセキュリティ大手の米McAfeeが命名権を持つスタジアム「McAfee Coliseum」がある。MLBのOakland AthleticsとNFLのOakland Raidersの本拠地になる。1998年に米Network Associatesとの命名権取引が成立し改称したが、その後2004年に社名をMcAfeeに変更したため、スタジアム名もMcAfee Coliseumに変わった。
なお、Athleticsは2011年をめどに本拠地を移転する。移転先の新スタジアムは「Cisco Field」。文字通り、Cisco Systemsが命名権を買い取ったスタジアムだ。IT企業のスポーツビジネスに対する取り組みの強さがうかがえる。
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