1年以上前から、MicrosoftとNovellは盟友同士に見える。以前は敵対していた両社が今は友好関係にあるのは確かだ。だが彼らは、ある問題については絶対に折り合わない。それは、Microsoftが違法な手段でWordPerfectに壊滅的な打撃を与えたとして、Novellが起こした訴訟だ。
米バージニア州リッチモンドの米第4巡回区連邦控訴裁判所は、Novellの訴訟継続にゴーサインを出した。
だがBloombergの報道によると、Microsoftは1月13日の週に連邦最高裁判所に、Novellが数十億ドルの訴訟を続けることを認めないよう求めた。Microsoftは、NovellがWordPerfectを所有していた1990年代半ばには、NovellはOSの競合相手でも顧客でもなかったため、この訴訟を起こす根拠がないと主張した。
Microsoftは訴訟が起こされた2004年11月には、WordPerfectの人気の低下は、Novell自身の経営ミスとお粗末なビジネス上の意思決定に起因しているとも主張していた。「間違った意思決定と経営の失策が、消費者がWordPerfectから離れた原因であることは、記録から明らかだ。また、Novellがごく短期間所有して8年以上前に売却したビジネスをめぐって、今になって訴訟を起こしたのは遺憾なことであり、驚きだ」
一方Novellは、MicrosoftがWindows 95の重要な技術情報をNovellに提供しなかったために、NovellがWindows 95版のWordPerfectをリリースすることが困難になったと主張した。またNovellは、Microsoftが故意に、Novellがフル機能のWordPerfect for Windowsを開発しにくくなるような形で、Windows 95を作ったとも主張した。
90年代半ばにレイ・ノーダ氏の指揮の下、NovellはWordPerfectを買収し、同名のワープロソフトを獲得。また、人気が高かった表計算ソフトのQuattro ProをBorlandから買い取った。当時まだ開発中だったMicrosoft Office 95の対抗製品として、独自のオフィススイートを開発する狙いだった。
だが、NovellはOffice 95との競争で成功することができず、WordPerfectをCorelに売却した。売却金額は、WordPerfectの入手に費やした金額と比べると格安だった。Novellは1994年5月にWordPerfectを12億ドルで入手し、1996年に1億7000万ドルと破格の安値で売却した。現在、CorelはWordPerfectの販売を続けているが、そのワープロ市場シェアは微々たるものだ。
2005年に裁判所は、Novellの技術的な主張を棄却した。だが、Novellが、「Microsoftがメーカーに対して違法なマーケティング手法を用い、OSの市場独占力を違法に利用したことが、90年代初めに最も有力なワープロだったWordPerfectが、1996年までにマイナーな存在になってしまった原因である」ことを証明しようとする試みを続けることを認めた。
現在、NovellはMicrosoftの緊密なパートナーだが、WordPerfect訴訟を断念したことは一度もない。今回の裁判所決定とMicrosoftの控訴により、両社は法廷闘争を続けることになる。LinuxとWindowsのクロスプラットフォーム開発ではいかに緊密に連携しているように見えても。
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