Eclipseとの統合を果たしたZend Studio:Review(4/4 ページ)
先日ZendがリリースしたZend Studioの新版は、Eclipseをベースプラットフォームとし、以前よりかなりの完成度に達していたIDEにさらなる改善を施してくれたといっていいだろう。
Zend Studioを使用するためのシステム環境
Zend StudioはデフォルトでIPポート10000をデバッグに使用する。このポート10000はWebminといったメジャーなアプリケーションも使用するため、Zend StudioとWebminとを併用する場合はどちらかのポートを変更しなければならない。またマルチプラットフォーム対応型の開発をするユーザーにとってありがたいことに、現行のZend StudioはUbuntuおよびWindows XPでの正常な動作が確認されている。そのほか、Ubuntuのアンチエイリアシング機能も利用できるので、必要な設定さえ施せば目に優しい画面表示とすることもできる。
消費するコンピュータリソースについても、Zend Studioは適度な範囲内に収まっている。例えばUbuntuで使用する場合のメモリ消費量は200Mバイト以下であり、最近のコンピュータであれば特に問題なく実行できるはずだ。
今回のレビューをする際に、わたしは幾つかのトラブルに遭遇した。具体的にはWindows上でのPHPDocファイル生成時にZend Studioが反応しなくなり、PHPDoc用のダイアログウインドウが表示される前にphp-cgi.exeが実行を2度停止したというものである。ほかのマシンにおいてこの現象は再現されていない。またZend Studioでは、Subversionを使用していてもそれが認識されなかったり、ほかのIDEでは行えるワーキングコピー中のファイルを個別に開くというSubversionの機能が使えないという問題も確認している。
総評としてZendは今回のリリースにて、以前よりかなりの完成度に達していたIDEにさらなる改善を施してくれたといっていいだろう。わたしが実際に Zend Studio for Eclipseを使用した感想としても、従来のバージョン5.5よりも快適に操作することができた。個人ないし企業として使用するソリューションをこれから探すという場合、その候補としてZend Studioを試してみる価値は十分にあるはずである。
Peter Manisは、PHPアプリケーション開発者としての4年の活動実績があり、各種のPHP用IDEに関する豊富な使用経験を持つ。
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