PostgreSQLバージョン8.3がリリース
約1年ぶりのメジャーアップグレードとなるPostgreSQL8.3は、前バージョンと比べ、トランザクション処理のスループットが最大30%向上したという。
PostgreSQLのバージョン8.3が2月4日にリリースされた。バージョン8.2から約1年ぶりのメジャーアップグレードとなる。
頻繁に更新されるタプルの管理を効率よく行う「ヒープオンリータプル」(HOT)、定期的に共有バッファとディスクの間の整合性を取るチェックポイント処理を遅延または分散させ、応答時間へのチェックポイントの影響を軽減する「分散チェックポイント」などが導入されたほか、ディスクに未書き込みの変更済みバッファをバックグラウンドでディスクに書き込む「バックグランドライタ」で、書き出すバッファの数を統計情報から推定し自動でセルフチューニングを行うようにするなどした結果、前バージョンと比べ、トランザクション処理のスループットが最大30%向上したという。
そのほか、UUID、ENUM、複合型の配列といった新規データ型の追加、ANSI標準のSQL/XMLサポート、全文検索ツール「TSearch2」の吸収によるテキスト検索処理の高速化など、多くの改善が含まれている。
オプションコンポーネントについても、SNMPサポート、PL/Proxy、pgPool-II、Bucardoなどによる水平スケーラビリティ用の選択肢、ストアドプロシージャ用のグラフィカルデバッガ、pgBouncerという接続プールなどが追加された。
なお、本バージョンではデータ型変換(キャスト)の一部が整理されているため、データ型比較に注意が払われていないようなケース――特に数年前のバージョンのPostgreSQL――でアップグレードを行う場合は、事前のテストを欠かさないよう警告が出ている。
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