まさかのファイル消失時にユーザーを危機から救うMagic Rescue:Leverage OSS(1/2 ページ)
消してはならないファイルを削除して青ざめているあなた。ブロックデバイスにある特定のファイルタイプを検索して、指定ディレクトリ中に一括抽出してくれるMagic Rescueならあなたの助けになるかもしれない。
Leverage OSS:
Trashを空にしたりShift-Delのキーコンビネーションでファイル削除をした直後に、消してはならぬファイルを消したことに気づいて青ざめている場合、Magic Rescueがあなたを救ってくれるかもしれない。Magic Rescueはブロックデバイスにある特定のファイルタイプを検索して、指定ディレクトリ中に一括抽出してくれるツールだ。後はサルベージされた中から必要なファイルを探し出せばいいのである。
当然ながら削除ファイルをどこまで遡れるかには限界があるし、フォーマットによっては目標とするファイルヘッダが識別困難なものもあるが、Magic Rescueそのものの使用法は決して難しいものではない。またMagic Rescueには、簡単なチュートリアルがつけられたmanページも整備されている。いずれにせよこのツールが有す潜在能力を完全に引き出すには、事前の下調べと入念な準備が不可欠である。
セットアップ
Magic Rescueを使用するには、復元したファイル群を収容する専用ディレクトリおよび、復元対象のファイルタイプを特定するための“レシピ”を準備しておかなくてはならない。
このうち収容用ディレクトリの作成先については、フィードバックループを誘発して復元すべき肝心のファイルを上書きさせる危険性があるため、検索対象のブロックデバイスとは異なるところに用意しておく必要がある。例えば単一パーティーション構成のシステムの場合は、外部接続するフラッシュメモリや外付けハードドライブなどに収容用ディレクトリを用意することを検討すべきだろう。そうではなく複数のパーティーションが設けてある場合でも、サルベージしたファイル群の回収用ディレクトリは空きスペースが十分にあるパーティーション上に作成しておかなくてはならない。これはmanページにも解説されている注意点だが、特にグラフィックおよびオーディオ系ファイルなどの大型ファイルを何百個も回復する場合などは、それなりの容量を確保しておくべきである。わたしのシステムの場合は3Gバイトも空いていればお釣りがくるくらいだが、こうしたものは各自の使用パターンや日ごろどのようなデータをダウンロードしているかによって変わるので、状況によってはそれ以上の空きスペースが必要となる場合も出てくるはずだ。
Magic Rescueにおけるレシピ(recipe)とは、各種ファイルフォーマットのヘッダ部を識別させるための小型スクリプトのことである。こうしたファイルフォーマットに関する知識を既に有しているユーザーや、これを機に勉強したいというユーザーであれば、manページの記述を参考にして独自のレシピを記述してみてもいいだろう。作成したレシピは/usr/share/magicrescue/tools/checkrecipeに配置してテストができるようになっている。
もっとも大部分のユーザーは、Magic Rescueインストール時に/usr/share/magicrescue/recipesに用意される標準のレシピ群を使用するか、インターネット上で公開されている各種の専用レシピを探すことになるだろう。最新バージョンの同梱レシピ群では、avi、elf、gimp-xcf、gzip、jpeg、 mp3、Microsoft Office、perl、png、zipファイルを識別できるほか、OpenOffice.orgファイルおよびGNU General Public Licenseがヘッダにつけられているファイルにも対応している。これらの標準レシピは独自レシピを記述する際の参考にもなるはずだ。
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