マルチコアCPUを活用したファイル圧縮:Validation Case Study(3/3 ページ)
マルチコアに対応しているmgzipとpbzip2を使えば、ファイルの圧縮/復元処理にマルチコアの真の実力を解放させることができる。ここでは、実際にそれぞれの処理に要する時間を計測してみた。
この2つの並列版圧縮ツールのパフォーマンスを見るために、ベンチマークを実行した。コンピュータはIntel Q6600 2.4GHzクアッドコアを搭載したマシン、圧縮対象のファイルにはlinux-2.6.23.tarを使った。このファイルを選んだのはどこにもあることと、この記事の読者はソースをパッケージしたtarファイルをよく使い、参考になると考えたからだ。
圧縮ファイルの大きさと圧縮処理時間をそれぞれのグラフに示した。このグラフから、スイッチをつけないデフォルト状態でのmgzipは、gzipに比べ、処理はかなり速いが、圧縮ファイルのサイズもかなり大きい。スイッチ-9をつけると速度は2倍で、サイズはほぼ同等になった。pbzip2の場合は、スイッチの有無にかかわらず、サイズはほぼ同じ。スイッチ-9をつけた場合、クアッドコアを相当程度活用でき、圧縮時間は31%に短縮された。
圧縮ファイルの復元処理時間も興味深い。このテストでは、マルチコアでの復元処理ができるように、どちらの場合もpbzip2の出力を使っている。
mgzipやpbzip2を利用すると、CPUに搭載されているコアをすべて活用し、圧縮とその復元に要する時間を短縮できる。圧縮されたアーカイブを復元するということは、その次にさらなる作業が控えているはずだから、この時間短縮は明らかに大きなメリットになる。通常のbzip2で圧縮やその復元処理を行えば、クアッドコアQ6600が持つ4個のコアのうち事実上3個は遊ばせていることになる。また、クーロンジョブを仕掛けておき、インターネットからダウンロードしたbzip2ファイルをpbzip2方式に変換しておくのもよかろう。必要になったとき、すべてのコアを使って圧縮ファイルを復元できるからだ。
Ben Martin 10年以上にわたってファイルシステムを研究。博士課程を修了し、現在、libferris、ファイルシステム、検索ソリューションを中心にコンサルティングをしている。
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