/procディレクトリを活用する:Linux Hacks(4/4 ページ)
/procディレクトリには、Linuxシステムについてのあらゆる詳細な情報がある。/procを学ぶことで、Linuxのコマンドの仕組みを学んだり、さらにはシステム管理的なことを行ったりできる。
システムの調整:/proc/sys
/proc/sysはシステムについての情報を提供するだけではなく、動的にカーネルパラメータを変更して各機能を有効にしたり無効にしたりできる(警告:当然ながらシステムに有害なことが起こる可能性もある)。
ファイルが設定可能なのか読み取りのみ可能なのかを知るためには、「ls -ld」を実行すればよい。ファイルに「W」の属性があれば、何らかの形でカーネルを設定するために利用することができることを意味する。例えば「ls -ld /proc/kernel/*」を実行すると以下のような結果が表示される。
dr-xr-xr-x 0 root root 0 2008-01-26 00:49 pty
dr-xr-xr-x 0 root root 0 2008-01-26 00:49 random
-rw-r--r-- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 acct
-rw-r--r-- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 acpi_video_flags
-rw-r--r-- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 audit_argv_kb
-r--r--r-- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 bootloader_type
-rw------- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 cad_pid
-rw------- 1 root root 0 2008-01-26 00:49 cap-bound
前記から、「bootloader_type」は変更できないが、それ以外のファイルは変更可能であることが分かる。ファイルを変更するには「echo 10 >/proc/sys/vm/swappiness」などのようなコマンドを実行すればよい(このコマンドの場合は仮想メモリのページングの性能を調整する)。なおこれらの変更は一時的なものであり、システムを再起動すれば無効になる。より持続的な変更を行いたい場合には、sysctlと/etc/sysctl.confファイルを使用する必要がある。
それでは/proc/sysにあるディレクトリを見てみよう。
- debug:文字通りデバッグ用の情報を提供する。カーネル開発に従事している場合に役立つ
- dev:システム上の特定のデバイスについてのパラメータを提供する。例えば/dev/cdromディレクトリなどがある
- fs:ファイルシステムについてのさまざまな情報を提供する
- kernel:カーネルの設定や操作を直接的に行うことができる
- net:ネットワーク関連について制御することができる。ネットワーク接続を失いかねないので、変更する場合は慎重に行う必要がある
- vm:VMサブシステムを取り扱う
まとめ
/proc特殊ディレクトリはLinuxの内部的な働きに関する詳細な情報を豊富に提供していて、数多くの部分についての設定を細かく調整することもできる。しばらく時間をかけて/procディレクトリのあらゆるカ所について調べてみれば、より完璧なLinuxマシンを手に入れることができるだろう。完璧なLinuxマシンをあなたもぜひ手に入れてほしい。
Federico Kerekiはウルグアイのシステムエンジニア。20年に渡るシステム開発、コンサルティング、大学講師の経験がある。
関連記事
- ユーザーの実行権限を柔軟に割り当てるsudoのリスクとメリット
rootパスワードを公開することなくアクセス範囲を最小限化した上で必要な権限を一般ユーザーに与えられるsudo。ここではsudoについてそのリスクとメリット、そして柔軟なシステム運用に役立てるための幾つかのTIPSを紹介しよう。 - Linuxのスワップ処理を最適化するためのヒント
Linuxシステムにおけるスワップ処理の効率化とスワップ処理サブシステムのパフォーマンス最適化につながるテクニックを紹介する。 - 環境変数によるロケールの管理
各種言語をサポートするためにLinuxがロケールをどのように用いるのかを紹介しよう。ロケールを理解しておくことは、英語しか使わない場合でも役に立つことがある。
Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.