埼玉県上尾市、電子行政システムを刷新
埼玉県上尾市の新基幹系電子行政システムが3月3日から稼働を開始した。システム構築にはミラクル、RKKCS、日本IBMがかかわっている。
埼玉県上尾市の新基幹系電子行政システムが3月3日から稼働を開始した。このシステムはミラクル・リナックス、RKKコンピュータサービス、日本IBMの3社によって構築されている。2007年3月に受注後、開発は4月に開始、2月にカットオーバーを迎えている。
同システムは、IBMのブレードサーバ「IBM BladeCenter」(21台)上で「MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside」を稼働、さらにその上でRKKCSが自社で開発した電子行政のパッケージシステムが動作している。このほか、可用性を高める目的で「MIRACLE CLUSTERPRO X」「MIRACLE FailSafe」を採用している。
同システムは、2009年度をめどに実施を目指している税金のコンビニ収納などの住民サービスにも対応するほか、住民票や印鑑証明をはじめとする個人情報の開示制限機能も備えるなど、安全な市民生活の確保に貢献するとみられている。
10年単位のライフサイクルコストで比較すると、従来のホストシステムと比べておよそ6億円のコスト削減につながるという。このほか、夜間にシステムを停止させてデータ処理を行わずにすむようになったため、メンテナンスにかかわる職員の負担が大幅に軽減したという。
上尾市総務部情報推進課の大久保務課長は新システム導入について、「オープン化によって、コスト削減と機能強化が同時に実現できた。2008年4月から始まる後期高齢者医療制度をはじめ、今後実施されるさまざまな法改正にも柔軟に対応でき、市民へのサービス提供に専念できるものと期待している」と述べている。
なお、ミラクル・リナックス、RKKCS、日本IBMの3社は、上尾市に先立ち、北海道・西胆振(にしいぶり)4市町でも共同利用型ASPサービスによる電子行政システムを構築、2008年1月から稼働を開始している。
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