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実は活況な大企業向けERP市場アナリストの視点(3/4 ページ)

矢野経済研究所の調査では、2007年のERPパッケージライセンス売上高市場は1178億円、前年比13.7%増となった。2008年以降の動向について考察する際、懸念点はやはり、2007年末から顕在化し始めた景気悪化である。

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成長するERP市場を狙い、多くのITベンダーの激しい競争が続く

 現在のERP市場の成長は、Y2K問題を契機に起こった過去のERP導入ブームの時とは事情が異なる。既存システムの見直しなど、既に複数回プロジェクトを経験している企業も多く、例えばSAPであれば、SAP R/3 4.xなどからのリプレースも、2007年ころにピークを迎えていたとみられる。そのため、ユーザー企業は、これまで以上に冷静にERPの導入効果を吟味し、製品やベンダーを比較検討するようになっている。

 一方で、成長するERP市場を狙って多数のベンダーが次々と戦略製品を投入している。富士通、NEC、日立、NTTデータなど大手企業グループは、軒並みERP事業を強化する方針を打ち出している。また、2007年には初めてマイクロソフトも参入し、業界の注目を集めた。ユーザー企業にとっては低価格・高機能化が進み、ERPを導入しやすい環境が整ったとも言えるだろう。

 しかし、ITベンダーにとっては過当競争の結果、淘汰も避けられないという危機感のなか、選ばれる製品、選ばれるベンダーを目指さなくてはならないシビアな状況が続くといえよう。

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