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それなりに多いSaaS普及への課題連載:SaaSで一歩抜け出す中小企業(2/4 ページ)

SaaSの普及にはさまざまな問題があるが、ベンダーはそれぞれ工夫をこらした動きをし始めている。

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不明瞭な価格体系

 低価格な従量制の月額利用料金制ばかりが前面に押し出され、実際にはセットアップ費用、カスタマイズ費用、運用・保守費用、バージョンアップ費用などが含まれていたり、陰に隠れていたりする。

 また、CRM(顧客管理システム)のように営業社員が頻繁に利用するものであればいいが、今後アプリケーションの幅が広がれば社員ごとの利用頻度にも大きな差が出てくる。例えば、ログイン回数課金、売上連動型課金など、今後は利用状況に応じた課金体系の多様化が求められる。いずれにせよ、ユーザー企業が容易に理解できる直感的な価格体系が公表されるべきである。

個々のサービス選定

 ユーザー側の業務および情報システムの全体像を把握した上で「何をSaaSとしてアウトソースすべきか?」の判断が必要であるにもかかわらず、SaaSの有望市場とされているSMBではその役割を担う担当者が社内に存在しないという点は問題である。ユーザーはこの点において、自社にその力量があるかどうかを判断し、ない場合には何らかの手段を講じる必要がある。今後はSaaS導入コンサルティングといったサービスも多く提供されるであろう。

SaaSのアプリケーション領域

 国内ではCRMがSaaSの代表格として知られるが、現状SaaSで大きくブレイクしそうなキラーコンテンツは不在である。現実的には企業内IT環境はパッケージソフトとのハイブリッド形式が主流になるだろう。SaaS型ソフトウェアは、マルチテナント・アーキテクチャ上で稼働するという性格上、今後も情報処理量の多いコラボレーション系/フロント系で採用されることになるだろう。

 将来的な理想としては、パッケージとして優れた機能、実績を保有するソフトウェアが基幹系/コラボレーション系/フロント系にかかわらずSaaS型に移植され、「安く、簡単に」使えるようになることである。SaaS的なテクノロジーベースドな仕組みは間違いなく本流になる。

 ただし厳密に言えば「SaaSは市場ではない」ということだ。現時点では「ITのさまざまなサービス形態がSaaS(XaaS)にシフトしつつある」という経過的な状況にすぎない。

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