東京と大阪の「知識の分断」を解消する:事例 ナレッジマネジメント(2/2 ページ)
住商情報システム(SCS)は個人が抱えるナレッジや情報を組織全体で共有できる体制作りを進め、製品やソリューションごとのテーマを中心としたコミュニティポータルに情報を集約した。
全社の知見で営業活動を支援
RKM導入により、社内のネットワークが広がり、企業全体での一体感や助け合う風土が高まりつつあるという。他部門や過去のノウハウを参照できるようになったことから、顧客の要望に応えるため高付加価値なサービスの提供が可能になっている。また、従来は大阪の案件に東京の事例を持ち出しても参画メンバーに経験者が含まれるかを不安視されることがあったが、現在はRKMの仕組みによってSCS全社の知見でバックアップできる証明になり、営業面に生かすこともできているという。
導入効果を聞く 時間をかけてナレッジを蓄積していきたい
ITmedia RKM活用によるメリットとは?
山本 例えば、Know-Who機能では自己紹介を書く社員も多く、初対面でも事前にプロフィールを確認し合い、自然に親近感が醸成できます。さまざまな個性を持った人がいることが分かり、会社に対する愛着心もわくでしょう。興味深い回答を寄せる人の過去の履歴を見るだけでも楽しい。隠れた専門家の発見にもつながります。
また、フィードバック機能も有効だと思います。単にナレッジ部分で共有するだけではなく、人の情報も共有しているので、自分が投稿したものに対してフィードバックがあるとモチベーションも上がりますし、他の社員に役立てられていることが実感できれば、継続して利用が進むのではないでしょうか。
ITmedia 全社導入に向け苦労されたことはなんでしょうか?
吉田 今回の導入では、セキュリティやコンプライアンスの調整で多くの時間を費やしました。利便性を最大限に引き出すためにはルールに縛られず自由な利用が望ましいのですが、一方でセキュリティにも十分配慮しなければならず、そこが大変難しい。また、パッケージ製品を扱う組織では情報共有により大きなメリットを感じることができるところもあれば、一方でそうではないところもあり、温度差があります。今後は、仕事の進め方などの技術以外の部分でも利用を促進し、時間をかけてナレッジ活動を活性化していきたいと考えています。
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文書管理システムやKMの利用が形骸化する中、簡単に文書公開できるツールと高速な検索エンジンが連携する、エンタープライズサーチ(企業内情報検索)に初めてトライする企業向きのソリューションが登場している。まずは使ってもらい、次第に情報共有の文化を育てていくのも有効な方法だ。
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