新藤愛大――欲望という幻想を現実に変えるActionScripter:New Generation Chronicle(3/7 ページ)
ソフトウェアとハードウェアの両方に精通し、世の中を変革しようと牙を研ぐバイナリアンたちを紹介していく「New Generation Chronicle:バイナリアンスレッド」。第3回は、若くして国内のFlash/ActionScript界をけん引する新藤愛大氏に登場いただいた。
試してみることに失敗はない
―― 頭の中のぼんやりとしたイメージはどうすればコードに落とし込めるのでしょうか?
試行錯誤が大事じゃないでしょうか。頭の中で試行錯誤して、辛くなってきたら紙の上でも試行錯誤して、その後はコードを書いては消し、書いては消し、です。最初から完ぺきなものを書こうとしたりはしません。だいたい後で変更したりするので、「まあ後でリファクタリングすればいいや」ぐらいの気分で。試してみることに失敗はないですからね。
―― 自分のコーデングにクセやこだわりはありますか?
できるだけ読みやすいコードを心がけるようにはしています。その割にコメントをまったく書かなかったりするのですが、コメントがなくても分かるようなコードを書いているつもりです……、とか言い訳してみる。
―― コーデングスタイルで許せないことは?
許せないと思うほどのことはありません。さすがに、同じコード内で全然スタイルが統一されていなかったり、読みやすくする気がまったくなかったりするコードはどうかと思いますが。
―― 美しいと思うコードはどんなものですか?
可読性、アルゴリズム、速度、設計……、さまざまな面でバランスが取れたコードではないでしょうか。一方、「すげー」と思うコードは、もはや何をやっているか分からないコードだったりします。最近そうしたコードにはあまり出会っていないかも。
―― プログラムをするようになって、「自分のここが変わった」というものは?
何か(特にゲームとか)を見たときに、設計や実装を妄想したり、「こういう風に実装してあるはずだからこうなるだろ」とか、ずるい推測をしてしまうことが多くなりましたね。
―― 正直、コードを書かない人に何か言われたくないと思っている?
「何でもできる」と思っている人たちはちょっとイタイですね。3D、速くなる、軽くなる……。限界を知ることも大切です。あと、試しもせずに「できるはずがない」というのは構いませんが、せめて、実際にやろうとする者の邪魔はしてほしくはないと思います。
―― GNUやGNU GPLについてはどう思いますか?
FLASHerにはあまり縁がない感じですよね。とはいっても、最近はオープンソースのActionScript3用ライブラリも増えてきたので、ライセンスについてはFLASHerも気を使わなければならない時期になってきたのかなと思います。
―― インタプリタ言語でプログラミングのニーズはどの程度満たせると思いますか?
90%満たせると思います。残りの10%は、速度の壁だったり、VMやライブラリの制限の壁だったりすると思います。ほぼ毎日ActionScriptをAVMで動かしているわたしがいうのだから間違いありません。たぶん。
―― 「自分はもしかしたらすごいプログラマーかも」と思ってしまうときはありますか?
正しくは「自分はもしかしたらすごい(頭のおかしい)プログラマーかも」ですね。これならいつも思っています(笑)。
―― 国または民間企業が実施している情報処理の資格を持っていますか?
初級システムアドミニストレータ(2003年春)、基本情報処理技術者(2005年春)、ソフトウェア開発技術者(2005年秋)は持っています。Flashをやる上では特に必要ない(たまに持っていることすら忘れる)のですが、一応、教養というか、たしなみとしては役に立っているのではないでしょうか。
―― 子どもに(あるいは生まれたら)プログラムを教えますか?
強制はしないでしょうね。ただ、それとなく「面白いよ」とは言うでしょうが(笑)。それ以前に結婚できるかが問題ですね。
―― ロボット3原則をまねてプログラマー3原則を考えてみてください。
- 第一条:プログラマーは、可読性の高いコードを書かなければならない。また、可読性を高めすぎることによって、コードを冗長にしてはならない
- 第二条:プログラマーは、高速に動作するコードを書かなければならない。ただし、その結果、第一条に反する場合は、この限りでない
- 第三条:プログラマーは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、コメントを書かなければならない
ちょっと苦しいですが(笑)。
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