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初めてのサービスレベルアグリーメントITIL Managerの視点から(2/4 ページ)

企業のIT担当者ならば、「サービスマネジメント」というコトバに聞き覚えがあるだろう。要は効率の良い、費用対効果の高いシステム管理のことであるが、ITがビジネスの根幹になって以来、未解決の課題となっており、多くのIT担当者がその実現に悩んでいるのだ。

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テクノロジー以外のキーワードからサービスマネジメントを理解する

 サービスマネジメントがより重視されてきているという傾向は、情報処理技術者試験制度にも表れている。情報処理技術者試験センターが毎年実施する情報処理技術者試験は、来年(平成21年)に、8年ぶりの大改定を行う。詳細は『情報処理技術者試験 新試験制度の手引き』(pdfファイルへのリンク)を参照していただきたい。今回の改定は平成13年に行われたものよりもドラスティックなものだ。特筆すべきは、ITSS(ITスキル標準)、ETSS(組み込みスキル標準)、UISS(情報システムユーザースキル標準)などを元にして作られた「共通キャリア・スキルフレームワーク」なるものを作り、「目指すべき高度IT人材像ごとに必要なスキルを明確化」(『情報処理技術者試験 新試験制度の手引き』より)している点にある。これで、どんな人材にどんなスキルが必要なのかの目安がはっきりした(少なくともその目安を提示した)わけである。

 この体系化に伴って、いくつかの試験が見直されている。今回注目したいのは、毎年春に行われているテクニカルエンジニア(システム管理)である。これが平成21年度から、その名もずばり「ITサービスマネージャ試験」という名称に変更になる。もちろん名称が変更されるだけではない。「現行の出題範囲をITILに沿って再編し、マネジメント面をより重視した出題範囲とする」のである。もはやIT技術だけではだめで、サービスマネジメントそのものを理解していないと企業のIT運用管理はできませんよ、と言っているわけである。

 さて、読者の皆さんはITサービスマネジメントをどれぐらい理解していらっしゃるだろうか。筆者も過去の連載を通じ、ITILCOBITの概略を説明してきたが、まだまだ言葉が足りない。そこで、サービスマネジメントに欠かせないいくつかの用語、例えばSLA(サービスレベルアグリーメント)やMTTR(平均修理時間)といったような、IT技術以外の用語をキーワードにしながら、サービスマネジメントをさまざまな視点で考えていきたいと考えている。

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