図書館でのFOSS貸し出しを目指す新団体が発足:Trend Insight(2/2 ページ)
LinuxやOSSが図書館で貸し出しされるようになれば、これまでとは違う新しい世界が開けてくるかもしれない。Public Software Foundationという新団体はこの実現に向けた取り組みを進めている。
コミュニティーによる取り組み
まだ生まれたてのPublic Software Foundation。その成果物を図書館に広めるためには、コミュニティーメンバーの力が欠かせない。PSFでは、各地域でのオープンソースの普及や啓もうに興味があるグループに対し、クルーチーフという役割の人物を定めるよう奨励している。その地域での活動を統轄し、PSF、地元のライブラリリエゾン、および図書館をつなぎ合わせる役割を果たす人物だ。クルーチーフは、ライブラリリエゾンの指導者的立場でもよいし、ライブラリリエゾンを兼任してもよい。クルーチーフやライブラリリエゾンは、各地域での活動をそれぞれ自主的に進めるが、PSFの代理人として、PSFで承認されたソフトウェアのみを提供しなくてはならない。この2つの役割は、Linuxとオープンソースソフトウェアの基礎知識がある人なら誰でも務めることができる。
ウォルフロム氏は、自分の担当地域の図書館に対し、オープンソース統合図書館システムへの移行についてコンサルティングを行っている。費用を節約し、ベンダーによる囲い込みを防ぐためだ。図書館にオープンソースソリューションを導入することで、支出が抑えられ、書籍にかける費用を増やせると同氏は強く感じている。また、各地の図書館回りを続ける中で、利用者向けのPCにOpenOffice.orgをインストールするよう働きかけ、うまくいったことも何度かある。「オープンソースソフトウェアを取り入れる図書館が増えてきたことはうれしい」と同氏は話す。Public Software Foundationの話を聞いたときは、ぜひ力を貸したいと感じたという。「図書館とオープンソースという組み合わせにはさまざまな可能性があり、わくわくする。わたしがこれまでコロラド州の各地の図書館に触れ回ってきたのは、まさにこれだ。ぜひこのプロジェクトの力になりたいと強く思う。今年中には、コロラド中を回って、みんなに情報を伝えていきたい」。
マサチューセッツ州のトーントン公共図書館で教育技術資料を担当する司書、Stephen Vermette氏はこう話す。「PSFのソフトウェアを受け入れる最初の公共図書館となることを非常にうれしく思う。周辺の図書館にもこの情報を伝えられるよう、さらに詳細を知ることができたらと思っている」。
この先1年間の目標について、ロビンソン氏はこう話す。「われわれが立てた目標はかなり控えめだ。オープンソースソフトウェアは以前ほど未知の存在ではなくなったとはいえ、出足はゆっくりになると思う」。それでも、設立1年以内で、米国内12カ所以上および国外2カ所以上の図書館にPSFのタイトルを受け入れてもらうことを目標としている。
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