IBMのRational、IDE満足度調査でトップに
IBMのRationalツールは、Microsoft、Oracle、Adobe Systems、Sun Microsystemsなどが提供するIDEに勝利した。
開発者が求めているものは何か――という視点での市場調査を得意とする会社に米Evans Dataがあるが、同社によると、開発者が統合開発環境(IDE)に望んでいるものを最も優れた形で提供しているのは、IBMだという。
そう、ビッグブルーだ。ちょうどRational Software Development Conferenceの開幕直前というタイミングで、IBMが、Evans DataのIDEユーザー満足度調査でトップの座を獲得した。
IBMのRationalはMicrosoft、Oracle、Adobe Systems、Sun Microsystemsなどが提供するIDEに勝利した。この調査で評価対象となったIDEは、Adobe Macromedia StudioおよびCreative Suite 3、CodeGear Delphi、IBM Rational Application Developer、Microsoft Visual Studio、Genuitec MyEclipse、SunのNetBeans、Oracle JDeveloperおよびSun Studio。
Evans Dataは2008年のIDEユーザー満足度調査を、1200人を超える開発者を対象に4月に実施した。回答者は次の15の点について、各IDEにランクを付けた。デバッガ、エディター、メイク/ビルド機能、ドキュメント、アプリケーションモデリングツール、Webデザインツール、サンプルアプリケーション、プロファイラー、コンパイラ性能、生成されたアプリケーションの性能、使い勝手、サードパーティーのツールとの統合、サードパーティーのツールが利用できるか、テクニカルサポートオプションの質、開発者コミュニティーの規模と質。
Rational Application Developerは総合点および複数のカテゴリーでトップを取った。
「IBMはRational Application Developerで真の強力な開発ツールを作り上げた」とEvans Dataのジョン・アンドリューズCEOは語る。
Vistaを無視する開発者
Evans Dataの別の調査「North American Development Survey 2008 v.1」では、北米のソフト開発者のうち、MicrosoftのWindows Vista向けにアプリケーションを開発しているのはわずか8%で、開発者の半数はまだXP向けソフトを書いていることが示された。また調査に参加した開発者らは、2009年にはWindows市場が分断されると予測しており、開発者の24%が同年にVista向け製品を開発するつもりだと答え、29%はXP向けの開発を続けると回答した。
「開発者はVistaに対して様子見のアプローチを取っている」とアンドリューズ氏。「同OSは通常以上に問題が多く、XPからVistaへの乗り換え意欲はまだ低い――そのことと代替OSへの関心が相まって、開発活動を抑え、それがまたVista採用を阻む要因になるだろう」
また調査結果は、現在、北米の開発者の半数以上がアジャイル開発技術を使っていることを示しており、エンタープライズ向け開発者の間ではその割合が2009年に3分の2にまで増える見込みという。
調査によると、Evans Dataが「未成熟で分断されている市場」と呼ぶ商用ALM(アプリケーションライフサイクル管理)ソフトで最も使われているのは、引き続きMicrosoft Visual SourceSafeだった。またVisual Studio Team Systemの採用は、SubversionとIBMのRational Suiteに後れを取っているという。
さらに、北米の開発者の3分の2が、プロジェクトの最初のプランニングと設計の段階でセキュリティ問題に対処していることも示された。
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