SCSH(Scheme Shell)スクリプト入門:Beginner's Guide(5/5 ページ)
Schemeプログラミング言語をベースとしたスクリプト言語「SCSH」。ニコニコ動画上で動作するLispインタプリタなども登場した今こそ、LispやSchemeに触れてみるいいチャンスなのかもしれない。
ライブラリ
SCSHには、Perl、Python、Rubyにも引けを取らないほどSCSHを便利にすることができるライブラリやモジュールがある。特に便利なライブラリとしては、XMLをパースするためのSSAXや、インターネット関連のスクリプトを作成するためのSUNetなどがある。SUNetにはFTP、SMTP、POP3、Daytime、Time、DNSプロトコル用のクライアントに加えて、FTPサーバや HTTP/Webサーバも含まれている。そのほかにも、PostgreSQLやMySQLといったデータベースとのやり取りを行うためのライブラリや、画像についての情報を抽出するためのライブラリなどがある。
まとめ
SCSHは、特定領域(シェルスクリプトの作成)の問題解決を行うように変更することのできる基礎となる小さな言語(Scheme)の存在が、いかにパワフルかを体現している。また正規表現を作成するための革新的な手法を提供しているため、これまでよりも少し楽にシェルスクリプトを作成できるようになっている。一部のPerlコードと比べると長々しいように感じられるかもしれないが、文字数やワード数でコードを判断していると、最終的には APLのような言語に行き着く悪循環に陥ってしまうだろう。シェルスクリプトの作成は重要な作業なので、長い関数名を書くために数分の時間が余分にかかったとしても、それを重荷だというように取らえるべきではないだろう。SCSHを使えば、Webサーバも、GUIアプリケーションも、典型的な Ncursesベースのインストールスクリプトも作成できる。
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