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コラム

発注者の考える「脱・丸投げ」マニュアル闘うマネジャー(2/3 ページ)

システムに何か不具合が起こったとき、もはや開発会社の責任では片付けられない。組織内の多くの人の意見を集約できる洗練された「システムの見取り図」作りが、使い勝手のいい、安いシステムの構築の鍵となる。

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できあがった家のトイレの位置を変える?

 冒頭に「システム開発に移る前に、発注者側で画面デザインを徹底的に詰めるべきだ」と書いたが、筆者は、これが発注者責任の第一歩だと考えている。

 業務システムの開発の現場では、できあがってから「ここが違っているから直して! それとここも!」ということがよくあるが、これを住宅建築に例えると、できあがってから「トイレの位置が違う。直せ!!」といわれているのと同じだ。だが、トイレの位置が違うなんていう指摘が、そもそもあるだろうか。便器の位置が設計と数センチ異なるというのなら、ありえる気もするが、トイレの位置が違うなんてあるわけがない。弁護士や監査を行うような人から、システムの世界では「基本的な約束事も満足に実現できていない」と指摘されてもしょうがないのが現実なのだ。

 では、この現実が、なぜ発生しているのか。想像するに、「システムのことは専門家であるSEに任せ、自分たちは業務を丁寧にSEに伝えればいいだけだ」としているところにあると筆者は考える。自宅を建てるときは、夫婦や家族が毎日あれこれと楽しく相談し、簡単な間取図を作ってから工務店と相談する。一方、システムの話になると「簡単な間取図といっても見当がつかないから」と逃げ、SEに丸投げをしようとする。

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