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ICT3層ピラミッド崩壊のカギはNGN「エイリアン」襲来(2/4 ページ)

中堅中小企業のビジネス変革のカギを握るともいわれるNGN。NGNが従来の業界構造にどのような影響を与えるのかを考えていく。

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NGNがネットワークとサービスを結合

 ここで、NGNの構造を復習してみよう。NGNは情報通信革命のジャンヌダルクではないでは、NGNを星にたとえ、NGNの実体がコアIPネットワークであり、広義のNGNや狭義のNGNといったさまざまな見方があると説明した。今回はNGNの可能性を追求するために、広義のNGN、つまりITU-T(国際電気通信連合の電気通信標準化分門、要はNGNの標準化を進める団体)で定義されたNGNの構造をベースに、NGNでどう変革が引き起こされるのかを考えてみる。

 NGNでは、アーキテクチャの階層をレイヤではなく「ストラタム」という聞き慣れない言葉を使っている。これは、ネットワークのデータ通信標準であるOSI参照モデルが、「レイヤ」という言葉を使って階層に分割したものと混同しないように配慮した結果と推測されるが、ストラタムも言葉自体の意味は大差なく階層や地層を意味する。ストラタムという言葉を使ったこと自体にそれ以上の深い意味はない。

 NGNを理解するには、システム全体のアーキテクチャを大きく、「データを伝送する機能」と「サービスを制御する機能」の2つのストラタムに分離する必要がある。要点はストラタムごとに機能を明確にすることによって重複開発を避け、既存の機能を活用して新規開発の負担を軽減することだ。何よりも、インタフェースしやすくすることによって密なネットワークとサービスの連携を可能にしている点だ。

 例えばIP電話で考えてみよう。インターネットではデータ伝送とサービスを提供するアプリケーションが独立しているため、伝送路の状況に係わらずアプリケーションは伝送路に無関心に仕事を遂行してしまう。アプリケーションは期待したデータが伝送されないこともあり得るわけで、そうすると利用中に電波が切れたり、音質が悪くなったりしてしまう。

 一方、NGNの場合にはアプリケーションが期待する伝送路を確保してデータが伝送されるので質の高いサービスを提供できる。もちろん、こういった機能を実現させるためには技術は重要で、アプリケーションの要求を満たす質を実現させる技術としてNGNではSIPが活用されている。ただし、今回は、技術的な話をすると混乱するのでこれ以上深追いはしないことにする。

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