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丸投げ力――先進ユーザーは知っているシステム導入の王道か(3/4 ページ)

システム導入を専門企業に任せきりにする、いわゆる「丸投げ」は通常は推奨されない。だがユーザーの声を拾ってみると、実はそうでもなさそうだ。

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理想のシステム像を伝えて丸投げ

 信頼のおけるパートナーを見つけるだけでは、プロジェクトはうまくいかないかもしれない。もう1つ重要になるのが、自分たちのシステムに対する「理想像」の実現については徹底的に主張をすべきということだ。システムのことを考慮せずに、実現するシステムに望む自分たちの「わがまま」を、言い尽くすべきだというユーザーの意見もあった。

 任せているからといって、すべてを任せてしまっていいものではない。開発するパートナー企業主導でシステムとしては一見立派なものが出来上がるかもしれないが、それがユーザー企業にとって必ずしも使いやすいものに仕上がっているとは限らない。出来上がってしまってから「ここが使いにくい」「あのデータも必要だった」ということになると、後からそれを追加することになり、新たに大きなコストが発生しかねない。

 大きなコストを掛けて作ったのでいまさら後戻りはできない。追加で費用が掛かっても、手を入れ、なんとか自社に合った使いやすいものとなるよう見直すのが普通だ。結果的にはコストも時間も手間も掛かり、やっと使えるようになったころには、パッケージはバージョンアップの時期を迎え、さらにコストが必要になんてことになるかもしれない。

 これを避けるには、丸投げする前のプロジェクトの初期段階で、徹底的にシステムに対し「わがまま」を言うことだ。わがままを主張し議論することで、どの機能がユーザー企業にとっては絶対に譲れない条件であるかをユーザーもパートナーも理解できる。そのレベルまで登り、認識が一致したならば、次のステップで予算と相談しどこまでどの方法で実現するのか、どの部分については妥協するのかを考える。

 むしろ、パートナーに丸投げするのならば、どのパッケージを導入するかをまず検討するよりも、ユーザー企業の希望をパートナーが十分に理解するまで徹底的に議論してからパッケージを選択するというステップの方がいいのかもしれない。

 丸投げ方式でERP導入プロジェクトを成功させるには、自社の社員のように働いてくれるエンジニアがいる信頼のおけるパートナー企業を見つけることと、プロジェクトの初期段階で徹底的にわがままを主張すること。この2つがないと、丸投げはうまくいかないだろう。

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