SaaS over NGNが中小企業IT化の鍵に:中堅中小企業の経営基盤改革術(2/4 ページ)
SaaSは普及するか、課題は何かといった議論がされている。特に中小企業はNGNなどの新たなインフラとSaaSを上手に活用することでスムーズにIT化を図れる可能性がある。経産省なども後押ししている。
「SaaS over NGN」が目指す新たなバリュー
これまで、SaaSのセキュリティのデメリットを補完する視点でNGNの機能を述べてきた。しかしそれだけでSaaS市場が急激に伸びるということは考えにくい。
NTTは昨年度SaaS over NGNタスクフォースを立ち上げた。NGNという新たな技術革新を連携させ、オープンかつコラボレーションを志向したパートナーシップを構築して新たなSaaS市場を創造していくという取り組みである。
セールスフォース・ドットコム、NTTコミュニケーションズ、NTTの3社は5月26日、NGN上でセールスフォース・ドットコムのSaaS型アプリケーションを共同で提供していくことに合意した。当初は、「Salesforce over VPN」のみだが、SaaS over NGN構想の一環として「Salesforce over NGN(仮)」を推進していくようだ。SaaSの代表的な事業者であるセールスフォースがNGN上で提供されるようになれば、中小企業にとっては、サービス利用への安心感は増すであろう。
さらに、セールスフォース・ドットコムとグーグルの提携により「Salesforce for Google Apps」が提供されるインパクトも大きい。将来的にNGN上でGmail、Google Talk、Google CalendarおよびGoogle Docsなどが利用できるようになれば、セキュリティなどの安全面で不安視されていたエンタープライズ分野でのGoogleのサービス利用がさらに進む可能性も考えられる。
中小企業における共通プラットフォーム
しかし、SaaSのデメリットをNGNが補完し、SaaS市場に新たなサービスが生まれたとしたら、中小企業はSaaSやNGNを利用することになるのだろうか。
第1回で公共サービスのSaaSの効果について述べたが、中小企業は自社のシステムのメリットだけでは導入に踏み切れない。つまり、公共サービスの電子申請や企業間の連携サービスなど外部との接続メリットがなければ、SaaSやNGNを導入するという考え方は選択肢にはあまり入ってこないだろう。
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