インテルは6月26日、エンタープライズ市場向け記者説明会を行い、エコロジーに向けた取り組みやプロセッサロードマップについて展望を示した。
同社の吉田和正社長は「企業が環境問題に取り組むことの重要性が大きく増している」と話した上で、CO2排出量に着目すると、事業活動からの排出(約390万トン)よりも製品そのものからの排出(1630万トン)が大幅に多いという調査結果を紹介(2006年、インテル調べ)。「環境に与える影響の大きさとして着目すべきは、製品と、それが使用されている状況である。エネルギー効率に優れた製品の提供はもちろん、鉛を原料として使わないなど、環境に配慮した素材選定も行いたい」と話す。既存のプロセッサ製品と比較し消費電力を低減したAtomも、同社のグリーン戦略において重要な位置を占めるという。
2008年度のインテルの取り組みとしては、45ナノメートルプロセスで製造するプロセッサ製品を通じて省電力プラットフォームを確立し、温暖化ガスの排出抑制など、環境への負荷を低減していくとした。またダイワボウ情報システムとの協業に見られるような取り組みを推進し、パートナーに対して積極な技術支援を行うという。
Virtualization 2.0を加速
Xeonプロセッサ5000番台などサーバプラットフォームにおいては、「プロセッサ単体と言うよりシステムレベルにおいて、シングルコア時代と比べ電力性能比は最大で8倍にまで向上している」と、同社 デジタル・エンタープライズ・統括部長の徳永貴士氏は話す。現段階で最新(6月20日付)のSPECpowerにおける「電力効率に優れたプロセッサトップ10」が45ナノメートルプロセスで製造されたXeonプロセッサで占められていることからも、優位性は明らかだという。
仮想化について徳永氏は、従来の「サーバ集約」や「開発環境とテスト環境の物理的同居」を目的としたものをVirtualization 1.0と位置付け、データセンター全体、そしてデータセンターをまたがる環境を仮想化する動きをVirtualization 2.0と定義。Virtualization 2.0を加速すべくVT FlexMigrationやVT for Connectivity、VT for Directed I/Oといった技術を進化させると話す。
ミッションクリティカル分野へのItaniumの浸透については、2008年度の第1クオーターにおいて対SPARCで214%、対POWERで183%に達したと指摘し、レガシーからオープンへの移行が進んでいるとの見通しを示した。
今後のロードマップについては、コードネームDunningtonを今年後半に投入予定とし、Nehalem、Tukwilaについても「年内中の市場投入を図る」(徳永氏)。
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