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FUSE経由でZFSを使うLinux Hacks(3/3 ページ)

LinuxカーネルではサポートされていないZFSだが、ZFS_on_FUSEを使えばLinuxでも用いることができる。読み取りを多く行う用途であれば、FUSE経由でZFSを使用することによる速度的なマイナスはない。

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 ZFSをLinux上で使用することには、多くの問題点がある。例えばzfs-fuseのFUSEプロセスはルートユーザーとして実行されるので潜在的なセキュリティホールになっていて、そのため何らかのバグが存在した場合にはzfs-fuseがシステムを自由に支配可能になってしまう。またZFSのsharenfsプロパティが現時点ではzfs-fuseでは有効にならないため、ZFSファイルシステムのエクスポートは手動で行う必要がある。またその場合には多くのシステムの場合FUSEカーネルモジュールをコンパイルし直す必要もある。

 とはいえzfs-fuseを使えば、ファイルシステム自身のクォータや領域確保などLinuxのシステム管理では新しい考え方を使って、幾つものファイルシステムを柔軟に作成できるようになる。ZFSでは、プールを使って好きなだけ多くのファイルシステムを素早く作成可能なので、新たなプロジェクトに取り掛かる際に新たなZFSファイルシステムをプール内に作成するというようなこともごく普通の利用方法となっている。新しいファイルシステムを手早く簡単に作成可能であることはZFS管理のそのほか特長との相性も良い。ZFSではファイルシステムの現在の状態のスナップショットを作成したり、現在の状態や過去のスナップショットをほかのマシンにエクスポートしたりできる。ただし前述したように今のところはzfs-fuseではsharenfsプロパティはサポートされていない。

 またZFSでは、ソフトウェアRAIDとLVM(論理ボリュームマネージャ)の組み合わせなど、Linuxカーネルの機能の多くが重複して実装されている。このことのマイナスの影響として、2008年3月のZFS管理文書の60ページにも記されているように、既存のRAID-Z構成にディスクを新たに追加できない(Linuxでは既存のRAID-5アレイに新たなディスクを好きなだけ追加できる)。

Ben Martinは10年以上もファイルシステムに携わっている。博士号を取得し、libferris、ファイルシステム、検索ソリューションを中心としたコンサルティングサービスを提供している。


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