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サーモグラフィでPCの発熱を測定せよ【前編】計る測る量るスペック調査隊(2/3 ページ)

PCを最大限に活用する方にとってその発熱が悩ましい夏がやってきた。すでにPCの熱対策は準備万端であろうが、PC内でどのように熱が発生し、またどのような対策を取ればよいのかを、あの“サーモグラフィ”をつかって“っぽく“調べてみた。

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PCの発熱を測ろう!



実験風景

 実験では、NEC Avio赤外線テクノロジーの小型サーモグラフィ「TH7800」(現行製品はTH7800N Fusion)を使用して、マザーボードやHDD、DVD±RWドライブといったPC構成要素や、PC自体の発熱を測定した。サーモグラフィはカメラに似た形状をしており、測定対象を撮影することで撮影物の表面温度分布を画像形式で取得できる測定装置だ。

 今回実験で使用したPCのスペックは表2のとおりだ。使用したマザーボードはAGP接続でグラフィックボードが取り付けられている。


構成要素 スペック
マザーボード MSI K8N Neo2
CPU Athlon 64 3200+/2GHz
メモリ 512MB×2(DDR400 PC3200)
HDD 250GB(Maxtor DiamondMax 10)
DVD±RWドライブ プレクスター PX760A
グラフィックボード WinFast A340 128MB(GeForce FX 5200搭載)
ケース ノーブランド(実売価格約8,000円)
電源 ノーブランド(400ワット)
表2 実験で使用したPCのスペック(HDDを2台使用する実験では、2台目のHDDとして日立 Deskstarを使用)


シートによる疑似運用環境

 また、サーモグラフィはその測定原理上、撮影対象の表面温度しか測定できないため、PCケースのふたを閉めてしまうと内部の状況を測定できない。そこで、この実験では左の写真のように、PCケースのふたを開けた状態で薄手のビニルシート*を貼り付けることで、疑似的にケースを閉じた状態にして測定を行った。

 なお、実験で使用した室内の温度は約22℃であった。


コラム サーモグラフィの測定原理

 今回実験で使用したサーモグラフィは、物体が発する赤外線の強さを調べることで、物体の温度を測定する装置である。

 物体の温度上昇を分子レベルで見ると、温度が高い物体は活発に分子が運動しているのに対し、低い物体では分子の運動が不活発である。この分子の運動が熱の正体である。熱の伝搬というのは、この活発な分子に不活発な分子が衝突し、エネルギーが移動することで発生するが、活発に運動している分子はそれ以外にも、電磁波という形でエネルギーを放出する。サーモグラフィが使用する赤外線も、この電磁波の一種である。物体が放出する電磁波は分子の運動が活発、つまり温度が高ければ高いほど多いため、その強弱を調べることで物体の温度を測定できるのである。


*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

このページで出てきた専門用語

薄手のビニルシート

実は一般的なゴミ袋を開いて適当な大きさにカットしただけのものだったりする。


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