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IT業界には派遣が少ない?――日本では受託開発型が主:ビジュアルなグラフで理解(2/3 ページ)
同じIT企業といっても、国によって事情は異なる。例えば米国ではパッケージ開発がコアビジネスだが、日本のIT企業は受託開発がメインだ。この違いが、数字のうえにどのように表れるのだろうか?
冠里さん では次に、正社員、派遣社員、パートタイマーの割合を見てみましょう。次のグラフを見てください(図3)
江水君 へえ。意外と正社員が多いのですね。
冠里さん なぜ意外だと思うのですか。
江水君 IT業界というと「客先常駐」のイメージが強いので。
冠里さん 江水くんも、結構この業界のことが分かってきましたね。確かに客先常駐は付きものですし、下請け企業から元請け企業へ社員を出向させるようなこともよくあります。でも彼らは、基本的に正社員です。つまり「ほかの会社に常駐している人」は多くても、派遣社員の数はそれほど多くないのです。
江水君 でも、ITエンジニア専門の派遣会社も多いですよね。
冠里さん それはですね。そうした企業の多くは「特定派遣」の企業なのです。
江水君 特定派遣とは、どのようなものですか。
冠里さん 人材派遣業には「一般労働者派遣事業」と「特定労働者派遣事業」があって、前者は派遣先が見つかった段階で派遣会社と雇用契約を結ぶのに対し、後者は派遣会社が客先に派遣するITエンジニアを正社員もしくは契約社員として雇用するのです。つまりそうした企業に勤めている人の多くは、派遣社員ではなく、正社員なのです。
江水君 なるほど、勉強になります。
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