キロキロとヘクトデカけたSI接頭語――最大単位はヨタ:今日から使えるITトリビア(2/2 ページ)
メガ、ギガなど、すでに一般化した「大きさ」の桁を示す単位。とくにストレージのメディア容量を示すものとして多く用いられるが、本来はコンピュータに限る用語ではない。
最も大きい表記は10の24乗を表すヨタ
まず、キロの次に当たるのが、1,000,000(100万)を表すメガ(M)である。メガはギリシャ語で「大きい」を意味する「megas」が語源であり、1960年にSI接頭語として正式に採用される以前から使われていた。最近では、マクドナルドのハンバーガー「メガマック」、読売新聞の活字「メガ文字」、JRの高速バス「メガドリーム号」など、とにかく「デカい」を表現する言葉としてよく使われている。
メガの次が、1,000,000,000(10億)を表すギガ(G)である。ギガもギリシャ語が元になっており、「巨人」を意味する「gigas」が語源だという。こちらはメモリやハードディスクの容量、CPUのクロック周波数、ネットワークの転送速度など、コンピュータ用語ではよく使われる。
ちなみにコンピュータの世界では、2の30乗(1,073,741,824)をギガとする場合もある。この場合、メガは2の20乗(1,048,576)、キロは2の10乗(1,024)になる。コンピュータ中心の人の中には、2の累乗(冪乗)のほうこそが正しいと思い込んでいる人もいるが、そうではないので念のため。
ギガの次が、そろそろ一般用語として定着しそうな、1,000,000,000,000(1兆)を表すテラ(T)である。これはギリシャ語の「怪物」を意味する「teras」、あるいはギリシャ語で「4」を意味する接頭辞「tetra-」が語源と言われている。この「4」というのは、十進法の1000単位の区切りが4つあるという意味である。ネットの世界では、「とても」という意味で使われることもあり、掲示板でよく目にする「テラワロス」という書き込みは、「とても笑える」というニュアンスで使われている。このテラまでが1960年に決められた。
この後はさらに、1000兆を表すペタ(P)、100京(けい)を表すエクサ(E)、10垓(がい)を表すゼタ(Z)、1じょ(禾編に予)を表すヨタ(Y)と続く。ペタは1975年、エクサ以降は1991年に定められたものであり、現在のSI接頭語はヨタが最大となる。
単位について興味を持った人は、独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合センターが公開しているパンフレット「国際単位系(SI)は世界共通のルールです」をどうぞ。
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