Windowsのログオンとシャットダウンにかかわる豆知識:今日から使えるITトリビア
出退勤時に毎日のように行うWindowsのログオンとシャットダウン。ここにも役に立ったり、役に立たなかったりするさまざまな話題がある。例えばどうしてログオン時のCtrl+Alt+Delにどのような意味があるかご存知だろうか。
Ctrl+Alt+Delはフィッシング対策なのだ
PCの使用歴が浅い人は知らないかもしれないが、Windows XPが登場する前のWindows 2000やWindows NTでは、ログオン時に必ずCtrlキーとAltキーとDelキーを同時に押すという操作を必ず行っていた。
PCではもともと、Ctrl+Alt+Delは「ソフトウェアリセット」という特別な意味を持っている。つまり、アプリケーションやOSの動作にかかわらず、PCをリセットして再起動するという動作をする。これは、IBMでPC/ATアーキテクチャの開発に携わったデイビッド・ブラッドリー(映画ハリー・ポッターシリーズにも出ている英国の俳優とは別人)によって考案されたもの。
では、ソフトウェアリセットを行うはずのキーコンビネーションが、なぜログオン時に入力することになったのか。実はこれ、フィッシング対策なのだ。
簡単に言うと、Ctrl+Alt+Delというキーコンビネーションは、OS以外が制御することはできない。だから、ユーザーIDとパスワードを盗むことを目的とした、Windowsログオン画面とそっくりのUIを持つフィッシングプログラムが動いていても、それをブロックできることになる。逆に、Ctrl+Alt+Delによって表示されるログオンの画面は、OSが表示した信頼できるものと判断できることになる。
今は、Ctrl+Alt+Delを入力させずにログオン画面を表示するのが標準だが、次の手順でWindows VistaでもCtrl+Alt+Delを復活させられる。
- Vistaのスタートメニューにある「検索の開始」に「netplwiz」とタイプしてEnterキーを押す
- 「ユーザーアカウント」が開くので、「詳細設定」タブの「ユーザーが必ずCtrl+Alt+Delキーを押す」にチェック
ログオン時にびっくりメッセージを表示
ここで、イタズラネタを1つ紹介しよう。ログオンの前に、画面上にメッセージを表示するというものだ。Windows NT時代からの「技」の一つだが、Vistaになってログオン画面と統合され、より「それっぽく」なったのであらためて紹介する。
- Vistaのスタートメニューにある「検索の開始」に「regedit」とタイプしてEnterキーを押す
- 「レジストリエディタが開いたら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogonキーに移動する
- この中にある「LegalNoticeCaption」をダブルクリックしてメッセージのタイトル、「LegalNoticeText」をダブルクリックしてメッセージの中身を入力する
これで完了。まあこの方法は、マイクロソフトのサイトでも紹介されているので、裏ワザというほどでもないのだが……。
これは、Windowsを使用する前に注意を促すメッセージを通知するために用意されている機能。どんな内容のメッセージでも自由に入力できる。「初期化されました」とか「使えません」といったメッセージが表示されたらビックリするのは間違いない。イタズラはほどほどに。
便利な超高速シャットダウン
最後に便利ネタを紹介する。超高速でシャットダウンできるアイコンを作るというものだ。
- デスクトップを右クリックして表示されるコンテキストメニューで「新規作成」をポイントし、「ショートカット」をクリック
- 「ショートカットの作成」というウィザードが開くので、「項目の場所を入力してください」に「shutdown /s /f /t 0」とタイプして「次へ」をクリック
- 次の画面でショートカットの名前を入力して「完了」をクリック
以上で完了。デスクトップに作られたアイコンをダブルクリックすると、あっという間にシャットダウンする。
これは、Windowsのshutdownコマンドを応用したもので、「/s」はシャットダウン、「/f」はアプリケーションの強制終了、「/t 0」はシャットダウンまでの時間がゼロ秒であるという意味。つまり、どんなプログラムが動いていても、有無を言わさず終わりにして一瞬でシャットダウンしてしまうのだ。
このショートカットアイコンのプロパティから「実行時の大きさ」を「最小化」にし、アイコンを変更すれば、さらに使い勝手が増すだろう。
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