世界最大の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)のWebサイトがハッキング被害に遭い、改ざんされた。セキュリティ企業の英Sophosの研究者、グラハム・クルーリー氏が報道を引用してブログで伝えた。
改ざんされたのは、LHCプロジェクトの関連サイト「cmsmon.cern.ch」。「GST」(Greek Security Team)を名乗るハッカー集団が内容を改ざんし、長文のメッセージを残した。なお、現在このサイトには接続できない状態となっている。
LHCは欧州合同原子核研究所(CERN)のプロジェクトで、9月10日に始動して世界中の注目を集めたが、報道によれば、その準備段階で既に不正ファイルがWebサイトにアップロードされていたという。
世界中から注目を集めるLHCサイトの改ざんは、「大きな問題だ」とクルーリー氏は指摘。理論的には不正コードを仕掛け、情報を盗み出したり、サイトを閲覧したユーザーをマルウェアに感染させたりすることもできたはずだと解説している。しかし、現時点で判明している限りでは、そうした不正コードが仕掛けられた痕跡はないという。
CERNは現在、改ざんされたサイトをダウンさせ、問題の解決に当たっているとみられる。
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