日本HP、2万円台からのシンクライアント端末を発表――Linuxベース独自OSの搭載も:AdminIT Daily News
日本HPは2万円台から調達できるシンクライアント端末を2機種発表。エントリーモデルはLinuxベースの新OSを搭載し、スタンダードモデルはWindows XP Embeddedを搭載する。10月2日より販売を開始する。
日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は10月1日、シンクライアント端末を発表した。外部から攻撃されにくいというHP独自の新OS「HP ThinPro」を搭載したエントリーモデル「HP t5545 Thin Client(以下t5545)」と、Windows XP Embeddedを搭載したスタンダードモデル「HP t5630 Thin Client(以下 t5630)」の2機種になる。
両機種ともプロセッサには1GHzのVIA Edenを搭載。チップセットはVIA Chrome9 HC3グラフィックスを内蔵するVIA VX800となる。低消費電力と高速パフォーマンスを実現したという。また、グラフィックス出力端子としてDVI−D(デジタル)とDsub(アナログ)の2系統を備え、2画面の同時出力が可能。シリアル/パラレルおよび6ポートのUSB端子が用意され、レガシーデバイスの接続にも対応する。うち2ポートのUSBは、ユーザーのみアクセス可能な「セキュアUSBコンパートメント」に収納されており、無線LANモジュールやUSBメモリなどを安全に利用できる。筐体の表面には傷が付きにくい処理が施され、ファンも存在せず、オフィス環境に配慮した設計となっている。
t5545は、コンパクトなデスクトップ型シンクライアント端末。Linuxベースの新OS、HP ThinProにより、ネットワーク越しのモジュラーアップデートが行えるなど、優れた管理機能を有するという。従来機の「HP t5135 Thin Client」では未搭載だったターミナルエミュレータ「TeemTalk」を搭載したほか、ブラウザにFirefox3を搭載し、RDP、ICAプロトコルに加え、Windows、Citrix、メインフレーム、UNIXの各サーバや、Webアプリケーションなどに対応する。また、利用するアプリケーションや各種設定をあらかじめ定めておくことができるため、不特定多数のユーザーが使用する特定用途向けの専用機(いわゆるKiosk端末)としての利用に適するという。
対してt5630は、OSにWindows XP Embeddedを搭載するデスクトップ型シンクライアントのスタンダードモデルという位置付け。多くのXP対応アプリケーションが動作するので、用途は幅広い。転送データを170:1の高圧縮率でエンコードする「HP Remote Graphics ソフトウェア(HP RGS)」に対応し、動画などの大容量データも高速転送できるという。
シンクライアント端末においては、基本的にローカルに保存されるデータが存在しないため、情報漏えい事故が起こりにくい。また、駆動部品を搭載せず故障率が低いことや、一般的なPCほどのスペックを必要としないことから、端末あたりの調達価格も抑えられる(t5546は2万円台、t5630でも4万円台)。その特性を生かし、公共の場所でのネット端末などに利用されることが多い。
両製品とも日本HPによる直販およびパートナー経由で販売される。10月中旬移行、オンラインストアでも取り扱う予定。価格や出荷時期は次の通り。
製品名 | 税込価格 | 販売開始 |
---|---|---|
HP t5545 Thin Client | 2万9400円 | 10月2日 |
HP t5630 Thin Client | 4万8300円 | 10月2日 |
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